リスクとどう向き合うか - 金融リスク最前線 - 1/5
2008/01/29 07:00
昨日からの続き。
- リスクは予測可能? -
今回の香港金融人インタビューは企業広報を経たインタビューではなく友人ベースのインタビューです。個人名はもちろん、社名など一切おおやけに出来ないことをご容赦ください。
その友人は、香港人ですがアメリカで育ち、アメリカの大学を卒業し、しばらくアメリカの銀行の融資部で働いた後、香港では世界四大会計事務所のひとつに勤め、商業銀行・投資銀行向けにリスクに関するアドバイスを提供しています。スーツ姿のかっこいい、若手のキャリア・ウーマンといったところです。仮名をスーさんとしておきます。
小椋: 前々から思っていたんだけど、スーさん働きすぎ。このインタビューも1ヶ月前からやろうやろうと言いつつ延び延びになってたねぇ。
スーさん: 北京で会社のマネージャー講習会があって、バタバタしてた。しかも1月中にクライアントの●●銀行の会計監査レポートを上げなきゃいけないからもう大変。
小椋: ごめん、忙しいところ。ところで、今日は「リスク」について聞きたいと思って。
スーさん: リスクね。どこから話そうか。
小椋: えっと、普段何気なく「リスク」「リスク」って聞いてるけれど、僕ら日本人は「リスク」と聞くと「財産が吹っ飛ぶ可能性」「騙される可能性」のようなものを想像してしまう。けど、実態はもっと違うんじゃないか、何か別のものじゃないかと思った。
スーさん: もちろん、そういったものもリスクの一つだね。理解は間違ってないよ。教科書的な言い方をすれば、「リスク」とはマーケット・リスク、オペレーション・リスク、クレジット・リスク、リーガル・リスクの4つのリスクに分類される。
小椋: いきなり専門的になった感じ。
スーさん: 「財産が吹っ飛ぶ可能性」はマーケット・リスクね。マーケットは不確実なものだから、財産が吹っ飛ぶ可能性が100%ないとは言い切れない。「騙される可能性」はクレジット・リスク(信用リスク)。銀行が個人や法人にお金を貸すとき、どういう履歴をもった人・法人なのかを必ず調査するよね。
小椋: はぁ。それじゃオペレーション・リスクって何?
スーさん: 簡単に言うと、従業員がミミスする可能性のこと。過酷な労働下で働いていると誰でもミスはするよね。人間は完璧じゃないから、必ずミスをする。そういった「ミスを起こしやすい環境」というのも一つのリスクなの。あまりに従業員に過酷な労働環境を強いているのであれば、その会社はオペレーション・リスクが高いってことになるわね。
小椋: なるほど。スーさんも毎晩仕事持って帰ってきてるし、スーさんが今働いている会社もオペレーション・リスク高いんじゃないの?
スーさん: はは。そういう冗談を会社では言い合ったりしてるけれど。
小椋: リーガル・リスクは法的リスクだよね。コンプライアンスの問題とも関わっている。ところで、リスクって予測できるものなの?
スーさん: リスクは予測きないよ。リスクは未来に向かって存在するもので、過去にあるものじゃないから。そして未来を予測はできないよね。過去の経験則から「これくらいの確率でどういうことが起こる」という言い方はするけれど、それはあくまで過去のデータに基づくものだからね。将来は過去の延長ではない。
小椋: うーん、やっぱり「リスク」は予測不能かぁ…
スーさん: その「リスク」を最小限に抑えるのが今の私の仕事ね。
小椋: 具体的に、どうやって「リスク」を管理してるの?
続く
- リスクは予測可能? -
今回の香港金融人インタビューは企業広報を経たインタビューではなく友人ベースのインタビューです。個人名はもちろん、社名など一切おおやけに出来ないことをご容赦ください。
その友人は、香港人ですがアメリカで育ち、アメリカの大学を卒業し、しばらくアメリカの銀行の融資部で働いた後、香港では世界四大会計事務所のひとつに勤め、商業銀行・投資銀行向けにリスクに関するアドバイスを提供しています。スーツ姿のかっこいい、若手のキャリア・ウーマンといったところです。仮名をスーさんとしておきます。
小椋: 前々から思っていたんだけど、スーさん働きすぎ。このインタビューも1ヶ月前からやろうやろうと言いつつ延び延びになってたねぇ。
スーさん: 北京で会社のマネージャー講習会があって、バタバタしてた。しかも1月中にクライアントの●●銀行の会計監査レポートを上げなきゃいけないからもう大変。
小椋: ごめん、忙しいところ。ところで、今日は「リスク」について聞きたいと思って。
スーさん: リスクね。どこから話そうか。
小椋: えっと、普段何気なく「リスク」「リスク」って聞いてるけれど、僕ら日本人は「リスク」と聞くと「財産が吹っ飛ぶ可能性」「騙される可能性」のようなものを想像してしまう。けど、実態はもっと違うんじゃないか、何か別のものじゃないかと思った。
スーさん: もちろん、そういったものもリスクの一つだね。理解は間違ってないよ。教科書的な言い方をすれば、「リスク」とはマーケット・リスク、オペレーション・リスク、クレジット・リスク、リーガル・リスクの4つのリスクに分類される。
小椋: いきなり専門的になった感じ。
スーさん: 「財産が吹っ飛ぶ可能性」はマーケット・リスクね。マーケットは不確実なものだから、財産が吹っ飛ぶ可能性が100%ないとは言い切れない。「騙される可能性」はクレジット・リスク(信用リスク)。銀行が個人や法人にお金を貸すとき、どういう履歴をもった人・法人なのかを必ず調査するよね。
小椋: はぁ。それじゃオペレーション・リスクって何?
スーさん: 簡単に言うと、従業員がミミスする可能性のこと。過酷な労働下で働いていると誰でもミスはするよね。人間は完璧じゃないから、必ずミスをする。そういった「ミスを起こしやすい環境」というのも一つのリスクなの。あまりに従業員に過酷な労働環境を強いているのであれば、その会社はオペレーション・リスクが高いってことになるわね。
小椋: なるほど。スーさんも毎晩仕事持って帰ってきてるし、スーさんが今働いている会社もオペレーション・リスク高いんじゃないの?
スーさん: はは。そういう冗談を会社では言い合ったりしてるけれど。
小椋: リーガル・リスクは法的リスクだよね。コンプライアンスの問題とも関わっている。ところで、リスクって予測できるものなの?
スーさん: リスクは予測きないよ。リスクは未来に向かって存在するもので、過去にあるものじゃないから。そして未来を予測はできないよね。過去の経験則から「これくらいの確率でどういうことが起こる」という言い方はするけれど、それはあくまで過去のデータに基づくものだからね。将来は過去の延長ではない。
小椋: うーん、やっぱり「リスク」は予測不能かぁ…
スーさん: その「リスク」を最小限に抑えるのが今の私の仕事ね。
小椋: 具体的に、どうやって「リスク」を管理してるの?
続く

