「外国人投資家は、日本をあきらめかけている」
2008/01/21 07:00
"Foreigners are giving up on Japan," Mr. Mohr says.

今週の日本の相場は、まさに正念場である。日本でプロとして投資に関わっている人間たちが、「下げ幅が論理的な範囲を超えてきている」と言い出した。特に外国人売り、すなわち日本に投資をしている外国人の売りがきついらしい。
そんな中、ウォール・ストリート・ジャーナルでアンドリュー・モースという記者が書いた「外国人は日本をあきらめかけている」という記事を発見した。その記事も日本のPER(一株あたりの利益)が他の先進国と比べて低いことを指摘している。そして「しかし」と前置きした後、日本株が外国人投資家に買われない原因として円高をあげ、次に
「株式の持ち合いによってM&Aが起こりにくく、配当が支払われない」
という主旨の記述があった。すなわち、外資からのM&Aを防ぐため、たとえば自動車を作る会社は部品メーカーの会社と株式を持ち合うのである。自動車メーカーと部品メーカーはお互い筆頭株主、あるいはそれに近い存在になるから外資が株主総会で議決権の過半数を握ることは防げる… と。
この記事を非常に面白く感じたのは、この記事がまさにアメリカ的資本主義の思想「会社は株主のものである」を思い起こさせたからである。
村上ファンドやスティール・パートナーズなどのアクティビスト・ファンド(モノ言う株主ファンド)がメディアに登場するたび、「会社は誰のものか」という議論が沸く。そのたびに、アメリカ的資本主義を信奉する人間たちは「会社は株主のものである」と叫ぶ。
しかし、アメリカでも、ここ香港でもそうだが会社に勤めている人間は基本的に会社に忠誠心など持ってない。今月末香港金融人シリーズで紹介する女性など30代前半ですでにもう5回も転職をしている。いちいち会社に忠誠心をもって仕事をしているわけではないのである。そういう人間が普通に存在するなかで、日本のように「会社は労働者のものでもある」と言ったところでアメリカ的資本主義の信奉者に伝わるわけがない。
終身雇用制が崩れてきたとはいえ、会社にはまがいなりにも忠誠を尽くすのが日本人。そしてその忠誠心が日本を高度成長に導いてきたし、残業手当のない残業を苦とさせなかったのだ。
共同体意識が強く、株主・社長・従業員の役割分担のゆるやかな日本の資本主義のなかで、会社は株主のものだと主張するようなこのウォール・ストリート・ジャーナルの記事を書いたアンドリュー・モースという記者には、もっと日本の勉強をしてもらいたいものである。
日本株がどんどん売り込まれていくのを見るのはツライが、それが「会社は株主のものである」と本気で考えている外国人の売りであるとするならば、むしろ下げを歓迎したいと思う。もっとも、プロの投資家たちはこんな私の暴言に断固反対するだろうが。笑

今週の日本の相場は、まさに正念場である。日本でプロとして投資に関わっている人間たちが、「下げ幅が論理的な範囲を超えてきている」と言い出した。特に外国人売り、すなわち日本に投資をしている外国人の売りがきついらしい。
そんな中、ウォール・ストリート・ジャーナルでアンドリュー・モースという記者が書いた「外国人は日本をあきらめかけている」という記事を発見した。その記事も日本のPER(一株あたりの利益)が他の先進国と比べて低いことを指摘している。そして「しかし」と前置きした後、日本株が外国人投資家に買われない原因として円高をあげ、次に
「株式の持ち合いによってM&Aが起こりにくく、配当が支払われない」
という主旨の記述があった。すなわち、外資からのM&Aを防ぐため、たとえば自動車を作る会社は部品メーカーの会社と株式を持ち合うのである。自動車メーカーと部品メーカーはお互い筆頭株主、あるいはそれに近い存在になるから外資が株主総会で議決権の過半数を握ることは防げる… と。
この記事を非常に面白く感じたのは、この記事がまさにアメリカ的資本主義の思想「会社は株主のものである」を思い起こさせたからである。
村上ファンドやスティール・パートナーズなどのアクティビスト・ファンド(モノ言う株主ファンド)がメディアに登場するたび、「会社は誰のものか」という議論が沸く。そのたびに、アメリカ的資本主義を信奉する人間たちは「会社は株主のものである」と叫ぶ。
しかし、アメリカでも、ここ香港でもそうだが会社に勤めている人間は基本的に会社に忠誠心など持ってない。今月末香港金融人シリーズで紹介する女性など30代前半ですでにもう5回も転職をしている。いちいち会社に忠誠心をもって仕事をしているわけではないのである。そういう人間が普通に存在するなかで、日本のように「会社は労働者のものでもある」と言ったところでアメリカ的資本主義の信奉者に伝わるわけがない。
終身雇用制が崩れてきたとはいえ、会社にはまがいなりにも忠誠を尽くすのが日本人。そしてその忠誠心が日本を高度成長に導いてきたし、残業手当のない残業を苦とさせなかったのだ。
共同体意識が強く、株主・社長・従業員の役割分担のゆるやかな日本の資本主義のなかで、会社は株主のものだと主張するようなこのウォール・ストリート・ジャーナルの記事を書いたアンドリュー・モースという記者には、もっと日本の勉強をしてもらいたいものである。
日本株がどんどん売り込まれていくのを見るのはツライが、それが「会社は株主のものである」と本気で考えている外国人の売りであるとするならば、むしろ下げを歓迎したいと思う。もっとも、プロの投資家たちはこんな私の暴言に断固反対するだろうが。笑

