早期教育
2010/08/08 23:52
日本の受験戦争なんて香港の受験戦争と比べたら「戦争」じゃなくて「鬼ごっこ」くらいだよ
と香港人の嫁は言う。子どもが生まれる前から幼稚園の入園届を書かなければいけなかったり、2歳でお受験があったりと「ホントかよ」と都市伝説を聞くように聞いていたが子供を持つ親の立場になってそれらが本当でかつリアルに目の前に迫っている。生後3ヶ月くらいから親は「プレイ・グループ」と呼ばれるお遊び教室に自身の子供、いや赤ちゃんを通わせる。
プレイ・グループではおもちゃを手に取らせて遊んだり、歌ったり、踊ったりする。そのプレイ・グループは広東語だけで行われるのではなく、当然のように英語、北京語さらに日本語、スペイン語、フランス語、ドイツ語まであるから驚きだ。
たとえば週三回プレイに通わせるとして、月曜日は英語、水曜日は北京語、金曜日はフランス語と言うふうにプレイ・グループの言語を選択する。それぞれネイティブの先生がいらして、2-6人くらいの赤ちゃんや子供を遊ばせる。
「3歳くらいになって考えたらいいんじゃないの?」
とつい最近まで思っていたし、実際に周りのパパ友が「ウチはこうで、ああで」と言っているのを聞いても何とも思わなかったが、産後突如として教育ママに変貌した妻が、先月からプレイ・グループに8ヶ月の娘を連れて通い始めた。
プレイ・グループに通い始めて少し意識が変化した。学区の心配をするようになってきたのだ。香港も学区制で「良い学区」と「悪い学区」があるという。良い学区に、子供の教育目的のためだけに引っ越す親もかなりの割合で存在する。
香港は、良い学区、良い大学、良い会社という直線が描きやすい国である。だからますます早期教育がもてはやされる。そして早期教育が究極まで進んで、ゼロ歳時教育。
最初は、この激烈な競争のある香港で産んでしまったことを不憫に思ったのだが「親が子供を不憫に思うことこそが子供を不憫にするのかな」と思い直した。私たち日本人は「空気を読む」ことで自分のポジション軸を自由自在に変化させる特殊能力があるが、こういった能力は外国人なかなか習得し得ない。
日本という国で生まれたからこそ自然に身につくものがあるのと同じで、香港に生まれたからこそ激しい競争に耐えうるメンタリティを自然に持ちうるのかもしれない… と早期教育には少しだけ前向きになった。子供に過大な期待はしていないが、選択肢は与えてやりたい。
こういうのを親バカと言うのかな。

