正月

2010/02/14 23:32
今日は正月。朝からいろいろな人が訪れては去っていきます。新年のご挨拶とお年玉の交換で1日が過ぎました。

恭喜發財(ごんへいふぁっちょい)

明けましておめでとうございます、の意です。手をグーにし、もう一方の手でパーをグー包み、胸の前でふるしぐさをします。これを拱手(きゅうしゅ)というそうですが、「恭喜發財!」といいながら拱手します。

利是 (らいしー)

いわゆるお年玉。日本とは異なり、お年玉は子供がもらうだけではあません。子供ももちろんもらうのですが、子供にくわえて年齢を問わず独身男女、上司&部下、特にお世話になっている人、マンションの管理人、行きつけのレストランの給仕などに利是を配ります。既婚の上司でもお世話になっていれば対象となるようですが、線引きは明確ではなく「気持ち」の部分が大きいのです。

日本のお年玉同様ポチ袋に入れて配りますが、気になる中身は。

お世話になっている度合いによって10香港ドル、20香港ドル、50香港ドル、100香港ドル、500香港ドル、1000香港ドルと緩急をつけるわけです。

明確な基準があるわけではないので、「あの人にはいくらあげる?」と毎年悩みます。親戚同士では共通ルールを事前に通知しておき「小椋のおじさんの利是だけは少なかった、ケチ」という収拾不可能な事態を未然に防ぎます。

1000香港ドルあげるのももらうのもごくごく限られた人だけで、今年は4人すなわち両親とビジネスパートナーの二人だけです。

今年は私と相方は利是はもらえていません… 去年は既婚だけれどももらえたはずなんですが… 子どもが出来たからかな。

身体健康(さんたいきんほん)

恭喜發財につづけて、4文字熟語をならべてあいさつをします。「恭喜發財身体健康」は一番オーソドックスなパターン、基本形ですね。身体健康は読んで字のごとく、体を大切に健康でいて下さいという意味です。

生意興隆(さんいーへんろん)

恭喜發財はあくまで上の句であって、そこからどれくらい四文字をつなげられるかが腕の見せ所です。生意興隆は「仕事がうまくいきますように」という意。

生意はビジネスを意味しますから、この場合の仕事とはビジネスという意味ですね。香港はビジネスワールドですしセーフティネットもないので仕事がうまくいかなければ困るわけです。

學業進歩(ほっいぷちょんぽう)

出会う人すべてが職業人ではありません。たまに学生さんもいます。

萬事如意(まんしーゆーいー)

あらゆることがうまく行きますように、という意ですね。すべてのことがうまく行くわけないじゃないか、という冷めた反応はナシですよ。すべてのことがうまくいかないよりも、すべてのことがうまくいった方がいいですから。

私もこの言葉を最初に聞いたときは「なんと厚かましい」と思いました。人生なんて大きな幸せを手にしようとしたらどこかで大きな犠牲が出るんだ、だからほどほどの暮らしぶりがちょうどいいんだ、薄型テレビは45型より32型だなどという小さな幸せ論者向けの言葉ではありません。

中国4000年の歴史は、特に農民層にとっては抑圧と搾取の歴史でした。だから平民は萬事とはいっても大金持ちになるとか天下統一を目指すとかそこまで大きなことを考えていたわけではないでしょう。だから目くじらを立ててはいけません。

心想事成(さむそんしーせん)

ただ、そうはいっても限度というものがあります。心で思ったことは現実になる、なんてそんな都合のいいことはありませんよ。僕なんて「今日晩御飯はカレーがいい」と一人思って家に帰ってカレーだったタメシがないじゃないですか。世の中とはこうもキビシイものなのです。

長命百歳(ちょんめんばっそい)

すべてのことがうまくいって、心で思ったことが現実になる人が100際まで生きたらコレ大変ですよ。そんな人はゴッド、ある方面では神様、ある方面では大統領、またある方面では組長と呼ばれてるかもしれません。


以上のようなことを拱手を胸の前でつくって組み合わせて言います。和訳すると、「明けましておめでとうございます!今年も健康で、仕事がうまくいって、すべてのことが順調で、考えたことが現実になって、100歳まで生きて下さい!」となります。ほかにもたくさん4字の慶語(?)があるそう。

ここは中国、香港。地に足の着いたことばかり話していては折角の正月気分もしぼんでしまう。地から少しばかり浮いたことを言うからこそ正月の香りが燻され、いい初夢が見れるというもんです。