AHL

2010/01/19 23:51
世界最大の公募ヘッジファンド・グループであるマン・インベストメンツの旗艦ファンド・AHLが2009年度はリターンがマイナス16.9%であったことから、機関投資家ならびに個人投資家の解約が相次いで預り資産の15%程度が流出し、ロンドンに上場しているマン・グループの株価も押し下げている



2008年はAHLは24.9%ものリターンをあげたのだが、2009年は「明確なトレンドをつかまえられなかった」としてリターンは悪いものとなった。

ヘッジファンドに対する批判は数あれど、マン・インベストメンツはリターンはともかく優等生的存在である。ロンドン市場に上場していて財務諸表を見られるし、2008年からおおまかな戦略の開示までしている。

ヘッジファンドに対してはリターンが悪くなると決まって「手数料が高い」という批判があるものの、年間手数料3%、成功報酬ハイ・ウォーター・マークに対して20%というその後のヘッジファンドのメートル原器になったとも思われる手数料体系は今まで崩したことがない。

ただ、ファンドとしてデカ過ぎるのは問題なようだ。グループで4兆円もの資産を運用しているためポジションを取ると市場が動いてしまう。たとえばコーヒー豆先物市場にマンの資産の10%を流せばスターバックス全店倒産という自体もありえる。

現在150市場に分散投資をしているもののメインは一番流動性あるFX市場。

ヘッジファンドマネージャW氏によると、マン・インベストメンツなどのヘッジファンド(バークレー・ヘッジなどの調査機関はヘッジファンドと呼ばずにCTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)と区別している)はこの情報化社会でトレンドの形成が急速すぎてかつてのプログラムのパラメーターを変えていかなければならない事態に直面している、と言っていた。

AHLはすべてコンピュータ取引である。過去の膨大なデータを分析し、トレンドを見つけてポジションをとる。しかしこれだけ世界が狭くなっているので過去のデータを参照しながらポジションを取ることの有効性はいつまで続くだろう。すべてのことを織り込んでいく市場は、次の瞬間には形が変わっているピースで成り立つ3次元立体パズルを組み立てていくようなもんだ。

W氏によると、AHLは短期的に無視してもよいノイズをトレンドと間違えたり、トレンドが形成される過程なのにノイズとしてしまったりということが多くなっているらしい。

ただW氏は「リターンが悪くなったからといって次から次へとヘッジファンドを乗り換えるのは愚の骨頂。CTAファンドは良い時もあれば悪い時もあり、それよりもマネージャの戦略が一貫していることが何よりも大事」ということだ。

AHLは少なくとも運用マネージャの戦略は一貫している。個人的にもAHLを切るのは早いような気がしている。