香港金融人インタビュー 津田弁護士・マイペースな突破力 5/5
2009/07/03 09:30
小椋 : 先生は香港を留学先に選ばれていますが、ようやく中堅の弁護士になってきたのによく事務
所が留学させてくれましたね。事務所としては先生の戦力がそがれるわけですから。いろいろ根回しされたのですか。
津田先生 : 根回しというか、もともと留学はさせてくださいという話は事務所に入るときからずっとボスに申し上げていました。ようやく時期が来たので留学できたという感じです。
小椋 : 中国法務をやるのに最初に香港を選ばれたと言うのは、僕が言うのも何ですけれども正しい選択やと思います。
というのも、日本の企業が中国で商売をやるときには必ずと言っていいほど香港を経由しますから。
日本・香港・中国の3つの国をまたいで商売をやるので何か紛争があったときには香港の法律も知っておいたほうが絶対いいと思うんです。
会計士の場合がまさにそうで、会社経営をしている私のお客様でも困っている方は結構いらっしゃるのですけれど、日香中またいでアドバイスできる会計士はほとんどいません。いるとしてもビッグ4などの超大手会計事務所がべらぼうな費用とってやってます。
日本だけよく知っている、あるいは香港だけよく知っているという会計士は多くいますが国境をまたいで、あるいは各国の会計士をうまくコーディネートできる会計士は非常に少ないと思います。
弁護士にしてもおそらくそうのですよね。
津田先生 : もちろん、日本の弁護士の先生でも中国法にすごく詳しい先生はいらっしゃいますけれ
ども、状況としてはもしかしたら似てるかもしれません。
小椋 : その中での立ち位置を明確にするための香港留学なのですよね。香港でも弁護士資格は取得されるのですか。
津田先生 : 今行っているコースは弁護士資格を取得できるものではありません。ですが、大陸から
若い学生たちが来て猛勉強しているのを見るとやはり刺激にはなりますね。
しかも彼らとは将来仕事するかもしれませんから。英語で授業を受けながら、休み時間になると北京語で話すという状況です。
私のクラスは60人から70人で、中国の文化、考え方に触れ合ういい機会です。
小椋 : 香港で弁護士資格を取得しないのは何か理由があるのですか。
津田先生 : まず、法体系が全然違うので頭が混乱するんです。次に、弁護士資格を取得するために少なくとも4、5年かかるため、キャリアのスタートアップが遅れるということですね。しかも僕の場合家族もいるしね。
とはいいつつも弁護士資格を取得するかどうか悩んでいたときもあるんですけれどね。
小椋 : 要するに、先生のプロフェッショナルはあくまで日本から出発するってことですね。そして国際間の紛争はいかに現地の弁護士を「使って」解決するかが大事だってことですかね。
自分ですべての知識を詰め込むのは無理だから適材適所でチームワークを組んで解決していくと。先生の場合、キャリアプランはコーディネーター+プロフェッショナルってことになりますか。
津田先生 : キャリアというても将来のことなんて分かりませんからね。今ベストな判断を下してそれを実行していくだけで。
小椋 : 先生はマイペースですけれどもその突破力はほんまに見習わなきゃいけないなぁ。僕は独立してから自分のキャリアのことをほとんど考えなくなってしまいましたからね。業界がどう変化していくかその中で自分のキャリアすなわち業界の中でどうポジショニングしていくかっていうのは常に考えなきゃいけないんですけれども。
そして一番最初の話に戻りますけれど、この9月から上海に行かれますね。香港での1年の勉強の後上海でさらに修行を積まれると。法律事務所をいくつか回られて、この事務所で働くということは決定したんですか。
津田先生 : 内定をもらった4つの弁護士事務所の中から2つには絞れてるんですけれども、決定打がないという状況でまだ決めてないんですよ。
小椋 : それは勉強ではなくて仕事で行くんですよね。
津田先生 : そうですよ。仕事です。上海で1年くらい仕事をしてまた日本に戻ります。
小椋 : 日本に戻るんですね。
津田先生 : それが今考えてるキャリアになりますね。
小椋 : 今後津田先生がそのマイペースさを保ったままどうモノゴトを突破していかれるか、ほんまに楽しみになってきました。僕もエネルギーもらえてうれしいです。

