なぜ今が買いなの?(長期投資の視点)

2008/10/31 06:00
つい最近送られてきましたファンド運営会社ブラックロックの見やすいレポートが来ましたので、ここで紹介したいと思います。長期的視点を持つ重要性を述べています。まず1983年から2008年現在までの25年間を株式、債券、現金を比較しながら長期視点では成長し続けていることを再確認しています。

1983年から2008年9月30日までの株式、債券、現金の推移です。



一番上の水色のラインが株式でS&P500指数、真ん中の紫色のラインが債券(リーマンブラザーズ債券指数などから算出)、一番下のオレンジ色が現金(90日満期の米国債の割引価格などから算出)です。上記グラフは小さくて見づらいので申し訳ありませんが、株式市場は20年前と比較して7倍の成長をしています。25年前と比べると15倍となっています。恐れずに投資せよということでしょうか。過去25年を5年ごとに詳しくみてみましょう。

1. 1983年から1987年

S&P 500平均リターン 1983 - 1987: 16.9%

 

1983

1984

1985

1986

1987

株式 22.5% 6.2% 31.8% 18.7% 5.2%
債券 8.4% 15.1% 22.1% 15.3% 2.8%
現金 9.1% 10.2% 7.9% 6.2% 6.0%

1984年 イラン・イラク戦争激化
1985年 マイクロソフトがウインドウズを発売
1986年 チェルノブイリ原発事故
1987年 市場崩壊

今と比べると市場規模が非常に小さかった時代です。この頃から株式投資して、現在も生き残っている会社の株式を保有している人はお金持ちになっていらっしゃるのでしょう。

2. 1988年から1992年

1988 - 1992: 16.7%

 

1988

1989

1990

1991

1992

株式 16.6% 31.7% -3.1% 30.5% 7.7%
債券 7.9% 14.5% 9.0% 16.0% 7.4%
現金 7.0% 8.5% 7.9% 5.6% 3.5%

1989年 ベルリンの壁崩壊
1990年 湾岸戦争
1991年 ゴルバチョフ
1992年 イギリス・ポンド危機

東西冷戦構造が終了し、政治的には劇的に変化した時代です。株式市場は湾岸戦争時にマイナスとなりました。


3. 1993年から1997年

1993 - 1997: 21.0%

 

1993

1994

1995

1996

1997

株式 10.1% 1.3% 37.6% 22.9% 33.4%
債券 9.7% -2.9% 18.5% 3.6% 9.7%
現金 3.1% 4.4% 5.7% 5.2% 5.3%

1993年 世界貿易センター爆破事件、欧州連合(EU)発足
1994年 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争
1997年 アジア通貨危機

1995年あたりから急激に株式市場の時価総額が増加していきます。ウィンドウズが世界で普及しはじめ、ITバブルが始まりました。そして、アジアではアジア通貨危機を迎えます。

4. 1998年から2002年

1998 - 2002: 1.3%

 

1998

1999

2000

2001

2002

株式 28.6% 21.0% -9.1% -11.9% -22.1%
債券 8.7% -0.8% 11.6% 8.4% 10.3%
現金 5.0% 4.8% 6.1% 3.5% 1.6%

1998年 欧州中央銀行設立
2000年 ナスダック
2001年 9・11テロ
2002年 ユーロ通貨開始、エンロン倒産、アルゼンチン危機

ITバブルが崩壊し、2000年から冬の時代を迎えます。

5. 2003年から2008年

2003 - 2007: 13.1%

 
  2003

2004

2005

2006

2007

2008*

株式 28.6% 10.9% 4.9% 15.8%% 5.5% -0.11%
債券 4.1% 4.3% 2.4% 4.3% 7.0% 0.02%
現金 1.0% 1.4% 3.2% 4.9% 4.5% 0.01%

2003年 イラク戦争
2007年 サブプライム問題
2008年 世界金融不安

ITバブルから立ち直り、再び株式市場が戻りますが、サブプライム問題から現在の世界金融不安、不景気へと突入します。

不安定な市場の中での長期的視点の重要性

下落相場が投資する最高の機会だと考えることができるのは長期的視点をもつ場合のみ可能です。一方、市場が再度下落、または反発すると正確に予想できる人はいません。全世界の市場サイクルで上昇と下落は常に存在します。ほんの数日の上昇相場を見失っただけでも市場指数よりも低いリターンで終わってしまう場合があります。たった数日の良いリターンが全体のパフォーマンスをカバーする時もあります。従って、絶好のタイミングを失うということは長期的に資産を増やそうという方にとってかなりの痛手となります(特に日本円所持者にとってはダブルチャンスですよね)。

一括投資の場合は資産タイプを分けることにより、投資リスクを減らし長期的な潜在リターン力を重視するべきだと思います。全ての投資対象が同期間中に正確にリターンを上げることは稀です。多様な投資戦略、業種、地域への投資でリスクを減少し、リターンの最大化とリスクの最小化を図ることが肝要です。

資産タイプ別リターン 10年間推移 (1998年から2007年)


11種類の資産別のリターンですが、バラバラにリターンがでています。上から順番にリターンの良い資産タイプです。一般消費はやはり強いですね。

これもあくまで一つの意見にすぎませんが、5年後に笑っているのは今おとなしくしている人か、今から投資する人かどちらでしょうね。