香港金融譚
主に世界の金融や経済情報についてのブログです。
2010/07/25 23:27
13:30
開平の目玉はあの楼閣。こんな寂れた街に用はない。
「津田さん、あの楼閣はどこにあるんでしょうねぇ ここからじゃ全然見当たらないようだけど」
「あの楼閣はここからさらに15分くらい車で移動したところにあるらしいですよ。ただ車がないからバイク・タクシーで移動するしかないですね」
「ほな、バイクタクシー見つけましょうか。とはいっても僕は北京語分かりませんので津田さん行き先よろしゅう伝えてください」
道に出て、一人のバイクタクシーの運転手を発見。バイクには客は一人しか載せられないから、2台のバイクが必要。運転手に「もう一人運転手を呼んでくれ」と頼む。
しばらくしてもう一台のバイクタクシーが来る。
「今から、華僑の謝一族の住まいであった立園に行き、その後楼閣のある自力村に。自力村から赤坎バスターミナルに4時半までに到着したい」
運転手「じゃ、一人80元で」
「はぁ?80元?高すぎるよ。60元だ」
「旦那、60元は厳しいよ。80元でなんとか頼むよ」
「小椋さん、どうします?」
「じゃ、間とって70元でどうでしょうか」
「こんな地方で70元でも高いですよ」
「10元くらいいいじゃないですか。貴重な時間だし、こんなところで交渉しても」
「小椋さんがそう言われるんでしたら… (バイクタクシー運転手に向かって) じゃ、70元で」
「わかりました」

どう見ても安全強度が疑わしいヘルメットをかぶってチョンと後ろへ。バイクの二人乗りなんぞしばらくしておらず、怖くて内股に異常に力が入る。降りて歩くと内股が痛い。
14:00
まずはゴールドラッシュで財を成し故郷に錦を飾った謝一族の家へ。入場料60元なり。
家とはいっても広大な敷地に一族が居住する4-5階建ての建物が5つ、野鳥園、綺麗に整備された庭、鯉が泳ぐ水路。


「さきほどの寂れた街と違って、ここは綺麗ですな」
「入場料60元とるだけのことはありますね。こういった地方の豪族の住居が保存されていくというのは珍しいのではないでしょうか」
「日本では宮家の古い住居が解体されるということで、話題になったことがありましたね」


「鯉はやっぱり富の象徴なんですかね。これだけ数がいると風情があるというよりは気持ち悪いね」
「中国人は住居にしても札束にしても、数で勝負!っていうところがありますからね。友達から聞いた話ですが、北海道のニセコに8部屋もある別荘を買った夫婦がいるそうですが」
「過剰に金遣いしないと文化は生まれないんですよ。たぶん裏では過剰に搾取してたりするんでしょうけどね。東大寺とかベルサイユ宮殿なんて過剰な搾取と過剰な金遣いの最たるもんですよ。でもあれは今では文化って呼ばれてる」
「部屋の数だけ多くても文化は生まれませんから、その夫婦にはもう少し頑張ってもらわないといけませんね」

待たせていたバイクタクシーに乗って、再び移動。タクシー運転手に待ち賃として10元せびられ、津田先生はおかんむり。
15:00

「おー ついに到着しましたね。開平楼閣です」
「世界文化遺産に登録されているだけあって、オモロイ形してますな。アーチ状の窓を採用しているところは、先程のコロニアル様式を取り入れてるみたいです」
大きな地図で見る
航空写真で見ても、周囲に商業施設らしきものは何もない。曲がりくねった川があるので水害から田んぼを守るために楼閣が利用されたという。また楼閣は盗賊から村を守るために見張り台にも利用されていたらしい。
「僕は奈良育ちなんですが、奈良県民すべてがそうというわけではないでしょうが、どうしても建物の新しい/古いを法隆寺を基準にして考えてしまうんです。法隆寺の建立は諸説あるものの西暦607年とされてますから、たとえばローマのコロッセオとかは建物として『古いなー』と思うのですけれど1000年前に出来た京都のお寺なんて新しいなって思ってしまうくらいで、100年前に出来た楼閣なんて『ごく最近の建物や』と思ってしまいますね。ちなみに僕の祖父の実家が120年前建てられた民家ですけど、僕の中では祖父の実家は『最近の建物』ですからね」
「その基準から言うと中国の建物はほとんど『最近の建物』ですね。文革で主だった歴史的建造物は破壊されましたしね」

この楼閣は上まで上れるようですよ。上ってみましょ。



「高いところに登ると、達成感ありますね… 外が暑いので頭がだいぶボーッとしてきましたが」
「この景色だけだと、南仏の古城に見えますね。それにしても暑い… 苦いアイスコーヒーをごくごく飲みたいですが、このド田舎ではそんな贅沢はできません」
「しかしそのド田舎の人たちがアメリカで一攫千金を狙っていたとは痛快な話です。鶏や豚に囲まれ素朴な暮らしをしていて、『アメリカ行こう』って思いますかねぇ。日本人とは根本的に行動原理が違うので僕自身も付き合い方に悩むことがありますが同じアジア人としてうまく付き合っていけたらいいですねぇ」

17:30
帰りのバスの中では津田先生の今後などの話をひとしきりした後、電池が切れたように二人とも寝てしまった。行きの3時間のバスがとてつもなく長く感じたのに、帰りはフト目を開けたら深センに到着していて狐につままれたよう。
開平の目玉はあの楼閣。こんな寂れた街に用はない。
「津田さん、あの楼閣はどこにあるんでしょうねぇ ここからじゃ全然見当たらないようだけど」
「あの楼閣はここからさらに15分くらい車で移動したところにあるらしいですよ。ただ車がないからバイク・タクシーで移動するしかないですね」
「ほな、バイクタクシー見つけましょうか。とはいっても僕は北京語分かりませんので津田さん行き先よろしゅう伝えてください」
道に出て、一人のバイクタクシーの運転手を発見。バイクには客は一人しか載せられないから、2台のバイクが必要。運転手に「もう一人運転手を呼んでくれ」と頼む。
しばらくしてもう一台のバイクタクシーが来る。
「今から、華僑の謝一族の住まいであった立園に行き、その後楼閣のある自力村に。自力村から赤坎バスターミナルに4時半までに到着したい」
運転手「じゃ、一人80元で」
「はぁ?80元?高すぎるよ。60元だ」
「旦那、60元は厳しいよ。80元でなんとか頼むよ」
「小椋さん、どうします?」
「じゃ、間とって70元でどうでしょうか」
「こんな地方で70元でも高いですよ」
「10元くらいいいじゃないですか。貴重な時間だし、こんなところで交渉しても」
「小椋さんがそう言われるんでしたら… (バイクタクシー運転手に向かって) じゃ、70元で」
「わかりました」
どう見ても安全強度が疑わしいヘルメットをかぶってチョンと後ろへ。バイクの二人乗りなんぞしばらくしておらず、怖くて内股に異常に力が入る。降りて歩くと内股が痛い。
14:00
まずはゴールドラッシュで財を成し故郷に錦を飾った謝一族の家へ。入場料60元なり。
家とはいっても広大な敷地に一族が居住する4-5階建ての建物が5つ、野鳥園、綺麗に整備された庭、鯉が泳ぐ水路。
「さきほどの寂れた街と違って、ここは綺麗ですな」
「入場料60元とるだけのことはありますね。こういった地方の豪族の住居が保存されていくというのは珍しいのではないでしょうか」
「日本では宮家の古い住居が解体されるということで、話題になったことがありましたね」
「鯉はやっぱり富の象徴なんですかね。これだけ数がいると風情があるというよりは気持ち悪いね」
「中国人は住居にしても札束にしても、数で勝負!っていうところがありますからね。友達から聞いた話ですが、北海道のニセコに8部屋もある別荘を買った夫婦がいるそうですが」
「過剰に金遣いしないと文化は生まれないんですよ。たぶん裏では過剰に搾取してたりするんでしょうけどね。東大寺とかベルサイユ宮殿なんて過剰な搾取と過剰な金遣いの最たるもんですよ。でもあれは今では文化って呼ばれてる」
「部屋の数だけ多くても文化は生まれませんから、その夫婦にはもう少し頑張ってもらわないといけませんね」
待たせていたバイクタクシーに乗って、再び移動。タクシー運転手に待ち賃として10元せびられ、津田先生はおかんむり。
15:00
「おー ついに到着しましたね。開平楼閣です」
「世界文化遺産に登録されているだけあって、オモロイ形してますな。アーチ状の窓を採用しているところは、先程のコロニアル様式を取り入れてるみたいです」
大きな地図で見る
航空写真で見ても、周囲に商業施設らしきものは何もない。曲がりくねった川があるので水害から田んぼを守るために楼閣が利用されたという。また楼閣は盗賊から村を守るために見張り台にも利用されていたらしい。
「僕は奈良育ちなんですが、奈良県民すべてがそうというわけではないでしょうが、どうしても建物の新しい/古いを法隆寺を基準にして考えてしまうんです。法隆寺の建立は諸説あるものの西暦607年とされてますから、たとえばローマのコロッセオとかは建物として『古いなー』と思うのですけれど1000年前に出来た京都のお寺なんて新しいなって思ってしまうくらいで、100年前に出来た楼閣なんて『ごく最近の建物や』と思ってしまいますね。ちなみに僕の祖父の実家が120年前建てられた民家ですけど、僕の中では祖父の実家は『最近の建物』ですからね」
「その基準から言うと中国の建物はほとんど『最近の建物』ですね。文革で主だった歴史的建造物は破壊されましたしね」
この楼閣は上まで上れるようですよ。上ってみましょ。
「高いところに登ると、達成感ありますね… 外が暑いので頭がだいぶボーッとしてきましたが」
「この景色だけだと、南仏の古城に見えますね。それにしても暑い… 苦いアイスコーヒーをごくごく飲みたいですが、このド田舎ではそんな贅沢はできません」
「しかしそのド田舎の人たちがアメリカで一攫千金を狙っていたとは痛快な話です。鶏や豚に囲まれ素朴な暮らしをしていて、『アメリカ行こう』って思いますかねぇ。日本人とは根本的に行動原理が違うので僕自身も付き合い方に悩むことがありますが同じアジア人としてうまく付き合っていけたらいいですねぇ」
17:30
帰りのバスの中では津田先生の今後などの話をひとしきりした後、電池が切れたように二人とも寝てしまった。行きの3時間のバスがとてつもなく長く感じたのに、帰りはフト目を開けたら深センに到着していて狐につままれたよう。
2010/07/24 23:37
昨年からよく一緒に遊んでいる弁護士の津田先生。8月いっぱいで、1年間の香港・中国遊学を終えて東京・銀座にある弁護士事務所へ戻る。日本に戻る前にどっか中国国内で一日旅行でもしましょうよ、ということになり広東省では数少ない名所であり、世界遺産にも認定されている開平(カイピン)の楼閣を見に行くこととなった。
香港から開平行きのルートはすべてバス。
湾仔(香港島) → 深セン(皇岗) → 赤坎 → 開平
大きな地図で見る
移動距離およそ300キロ、香港から片道6時間の行程である。昨年末に赤ちゃんが生まれてからというもの、土日も朝が早くなったがそれでも朝6時に起きることは滅多になかった。
予定通り6時に起き、眠たい眼をこすって湾仔から深センへ。深センで8時前に津田先生と合流。
08:00
「おはようございます。朝の空気は澄んでいて綺麗だなんて言いますが、深センは朝8時ですでに澱んでますねぇ」
「香港人から言わせれば、深センはHell(地獄)らしいですねぇ。そこまで悪く言うことないと思いますが」
「Hellだとは思いませんが、確かにカオスなところはありますね。11年前に私が初めて香港に来たときも、カオスだとは思いましたがそれと同じような感覚になってます」
「朝ごはん食べてないなら、ちょっと食べていきますか」
深センから開平へ行く巨大なバスターミナルの中にあるレストランで焼きそばを食べる。まぁまぁ美味しい。12元なり。

09:00
「遅れるとは思ってましたがやはり定刻通りには出ないもんですね。でも10分遅れでよかった」
「これを逃すと2時間待ちですから、早め早めの行動でちょうどいいんです。中国では何が起こるか分からない予測不能社会ですからね」
バスに揺られて一路、開平へ。バスの中で寝ようと思っていましたが、悪路を走るバスは文字通りジャンプしながら走り、座っているのに何かにつかまっていなければならないという状態。またクラクションが始終聞こえてうるさい。
「開平の楼閣については少し予習をしてきました。明の時代に襲ってくる盗賊を監視するために高いやぐらのような建物が建てられ、それは同時に襲ってくる水害を早く知らせるためにも役立ったそうです。
それだけであればハートをガシッと掴まれないんですが、開平という土地にぐっと来たのは19世紀に入ってからのストーリー。
19世紀の中頃にアメリカ西部のゴールドラッシュの人手が足りなかったので中国人がアメリカに出向き、現地で労働力となった後にアメリカで華人排斥運動が起こり、現地に住んでいた中国人は追い出されるように中国に戻っていった。吸収したアメリカ文化を見よう見まねで中国に再現したら、あんな楼閣になった」
「ゴールドラッシュというと、どちらかというとジーンズを履いた丸太のような腕の白人がガシガシ金脈を掘るっていうイメージですが中国人が一枚そこに噛んでいたなんてさすが、というか」
「資料を読んでないので分からないですけれど、排斥運動を受けた理由はおそらく華僑が商売上手だからだと思うんです。それって現代でも一緒ですからね。イギリスにフランスにスペイン。法定賃金以下の時給300円で毎日18時間働き、それを3年続けて商売の種を作ってまたカネを増やす。そうやって華僑は現地で巨万の富を現地で蓄積していますから。少し前はインドネシアとか、中国人を排斥しようとしてましたね」
「現代の労働意識に関しては内地では少し違いますよ。30代の管理職世代が一人っ子政策で甘やかされているせいでかつてのように熱心に働かない。スキルもないのに文句ばかり言って挙句の果てに辞めてしまうニート中国人が増えてきています」
「戦後の20年くらいは日本も安い労働力をアメリカに提供していましたけど、日本は労働力を提供する役割が終わった後の製品やサービスへの工夫の仕方すなわちクリエイティブを持ち得たからこそ高度経済成長期があったのでしょうね。中国人は真似ばっかりすることから脱皮出来るんだろうか」
「利にさとい中国人ですから、クリエイティブが必要な時代になればクリエイティブが得意な外人を社内に引きこんで商売するに決まってますよ」
「そりゃそうだ」

天気予報では「晴時々にわか雨」であった。体感的には気温32度くらい。香港よりも湿度が低いがそれでもジメジメとしている。3時間バスに揺られて赤坎バスターミナルに到着。
「ここらで一丁、写真撮っておきますか」 パチリ。

12:00
赤坎バスターミナルから開平へ。バス代は3元。バスの中には観光客とおぼしき人達が二人、現地の人達が四人。
「あれ?広東語らしき言葉が聞こえてきますよ」
「一応広東省ですから、広東語はかろうじて通じるようです。ただ現地語と広東語が混ざって使われているようで正直何言ってるのか広東語を使う香港人でもよくわからないということです」
「ところどころ、頑張ったら聞き取れるような言葉が聞こえますね」
「言葉というのは文化そのもので、文化は人のアイデンティティーの礎となりますから多言語国家の中国が一つにまとまらないのは分かるようなきがします。外的には一つにまとまっているように見せるために中央がどれだけの強権を使って押さえつけているのかも」
「広東語を理解してもらえれば、何だかほっとしますね。日本語を話す人がいればなおのこと」
開平到着。

「人… 居ないですねぇ」
「えぇ、観光地だからタクシーとか走っていてもいいんですけどねぇ」

「全体的に非常に寂れた街ですね。日本の熱海のような… 」
「18世紀に先人たちが頑張ってカネと文化を中国に持って帰ってきて、それ以降全然頑張ってないってことでしょうね。100年以上前に建てられた歴史的建造物というと聞こえはいいが、ほとんど手入れされていないようですね(苦笑)」

「これが街の中心らしいです。中国でコロニアル様式の古い建物を見るのはやはり奇異な感じがしますね。別世界というか。コロニアル様式の建物自体というよりは、中華思想を持っていたであろう中国人たちが、欧米の文化価値を追随したという柔軟さが見所なんでしょうかね」
「先生、それにしても川の水めちゃ汚いっすよ」
「中国ですからね」
「あの建物には現在でも人が住んでいますね。この辺りだとおそらく平均月給は月1000元にも満たないのでは」
「おそらく… 100年前のゴールドラッシュで稼いで帰ってきた先人華僑たちの月給と名目ベースで同じくらいかもしれませんね。水田はバスに乗って来る途中にいくつか見てましたが、それも大規模なわけでもなくこの土地で自給するくらいだろうし、それ以外には工場もないし、あるのは観光資源くらいでしょうが、その観光資源もギリギリで」
飴売り、竹細工、簡単な土産物売りが数えるほどしか居なかった。家々からはTVの音、麻雀に興じる人たちの声が聞こえてきた。東南アジア特有の牧歌的堕落情緒。
「津田さん、暑くなってきましたよ。スターバックスにでも入りましょ。オフィス仕事ばっかりしてるから、ホンマに体力続かなくていかん」
「こんなところにスタバなんてあるわけないでしょう」
香港から開平行きのルートはすべてバス。
湾仔(香港島) → 深セン(皇岗) → 赤坎 → 開平
大きな地図で見る
移動距離およそ300キロ、香港から片道6時間の行程である。昨年末に赤ちゃんが生まれてからというもの、土日も朝が早くなったがそれでも朝6時に起きることは滅多になかった。
予定通り6時に起き、眠たい眼をこすって湾仔から深センへ。深センで8時前に津田先生と合流。
08:00
「おはようございます。朝の空気は澄んでいて綺麗だなんて言いますが、深センは朝8時ですでに澱んでますねぇ」
「香港人から言わせれば、深センはHell(地獄)らしいですねぇ。そこまで悪く言うことないと思いますが」
「Hellだとは思いませんが、確かにカオスなところはありますね。11年前に私が初めて香港に来たときも、カオスだとは思いましたがそれと同じような感覚になってます」
「朝ごはん食べてないなら、ちょっと食べていきますか」
深センから開平へ行く巨大なバスターミナルの中にあるレストランで焼きそばを食べる。まぁまぁ美味しい。12元なり。
09:00
「遅れるとは思ってましたがやはり定刻通りには出ないもんですね。でも10分遅れでよかった」
「これを逃すと2時間待ちですから、早め早めの行動でちょうどいいんです。中国では何が起こるか分からない予測不能社会ですからね」
バスに揺られて一路、開平へ。バスの中で寝ようと思っていましたが、悪路を走るバスは文字通りジャンプしながら走り、座っているのに何かにつかまっていなければならないという状態。またクラクションが始終聞こえてうるさい。
「開平の楼閣については少し予習をしてきました。明の時代に襲ってくる盗賊を監視するために高いやぐらのような建物が建てられ、それは同時に襲ってくる水害を早く知らせるためにも役立ったそうです。
それだけであればハートをガシッと掴まれないんですが、開平という土地にぐっと来たのは19世紀に入ってからのストーリー。
19世紀の中頃にアメリカ西部のゴールドラッシュの人手が足りなかったので中国人がアメリカに出向き、現地で労働力となった後にアメリカで華人排斥運動が起こり、現地に住んでいた中国人は追い出されるように中国に戻っていった。吸収したアメリカ文化を見よう見まねで中国に再現したら、あんな楼閣になった」
「ゴールドラッシュというと、どちらかというとジーンズを履いた丸太のような腕の白人がガシガシ金脈を掘るっていうイメージですが中国人が一枚そこに噛んでいたなんてさすが、というか」
「資料を読んでないので分からないですけれど、排斥運動を受けた理由はおそらく華僑が商売上手だからだと思うんです。それって現代でも一緒ですからね。イギリスにフランスにスペイン。法定賃金以下の時給300円で毎日18時間働き、それを3年続けて商売の種を作ってまたカネを増やす。そうやって華僑は現地で巨万の富を現地で蓄積していますから。少し前はインドネシアとか、中国人を排斥しようとしてましたね」
「現代の労働意識に関しては内地では少し違いますよ。30代の管理職世代が一人っ子政策で甘やかされているせいでかつてのように熱心に働かない。スキルもないのに文句ばかり言って挙句の果てに辞めてしまうニート中国人が増えてきています」
「戦後の20年くらいは日本も安い労働力をアメリカに提供していましたけど、日本は労働力を提供する役割が終わった後の製品やサービスへの工夫の仕方すなわちクリエイティブを持ち得たからこそ高度経済成長期があったのでしょうね。中国人は真似ばっかりすることから脱皮出来るんだろうか」
「利にさとい中国人ですから、クリエイティブが必要な時代になればクリエイティブが得意な外人を社内に引きこんで商売するに決まってますよ」
「そりゃそうだ」
天気予報では「晴時々にわか雨」であった。体感的には気温32度くらい。香港よりも湿度が低いがそれでもジメジメとしている。3時間バスに揺られて赤坎バスターミナルに到着。
「ここらで一丁、写真撮っておきますか」 パチリ。
12:00
赤坎バスターミナルから開平へ。バス代は3元。バスの中には観光客とおぼしき人達が二人、現地の人達が四人。
「あれ?広東語らしき言葉が聞こえてきますよ」
「一応広東省ですから、広東語はかろうじて通じるようです。ただ現地語と広東語が混ざって使われているようで正直何言ってるのか広東語を使う香港人でもよくわからないということです」
「ところどころ、頑張ったら聞き取れるような言葉が聞こえますね」
「言葉というのは文化そのもので、文化は人のアイデンティティーの礎となりますから多言語国家の中国が一つにまとまらないのは分かるようなきがします。外的には一つにまとまっているように見せるために中央がどれだけの強権を使って押さえつけているのかも」
「広東語を理解してもらえれば、何だかほっとしますね。日本語を話す人がいればなおのこと」
開平到着。
「人… 居ないですねぇ」
「えぇ、観光地だからタクシーとか走っていてもいいんですけどねぇ」
「全体的に非常に寂れた街ですね。日本の熱海のような… 」
「18世紀に先人たちが頑張ってカネと文化を中国に持って帰ってきて、それ以降全然頑張ってないってことでしょうね。100年以上前に建てられた歴史的建造物というと聞こえはいいが、ほとんど手入れされていないようですね(苦笑)」
「これが街の中心らしいです。中国でコロニアル様式の古い建物を見るのはやはり奇異な感じがしますね。別世界というか。コロニアル様式の建物自体というよりは、中華思想を持っていたであろう中国人たちが、欧米の文化価値を追随したという柔軟さが見所なんでしょうかね」
「先生、それにしても川の水めちゃ汚いっすよ」
「中国ですからね」
「あの建物には現在でも人が住んでいますね。この辺りだとおそらく平均月給は月1000元にも満たないのでは」
「おそらく… 100年前のゴールドラッシュで稼いで帰ってきた先人華僑たちの月給と名目ベースで同じくらいかもしれませんね。水田はバスに乗って来る途中にいくつか見てましたが、それも大規模なわけでもなくこの土地で自給するくらいだろうし、それ以外には工場もないし、あるのは観光資源くらいでしょうが、その観光資源もギリギリで」
飴売り、竹細工、簡単な土産物売りが数えるほどしか居なかった。家々からはTVの音、麻雀に興じる人たちの声が聞こえてきた。東南アジア特有の牧歌的堕落情緒。
「津田さん、暑くなってきましたよ。スターバックスにでも入りましょ。オフィス仕事ばっかりしてるから、ホンマに体力続かなくていかん」
「こんなところにスタバなんてあるわけないでしょう」
2010/07/23 23:29
ストレステストとは、銀行など金融機関に計算上の「不景気=ストレス」を与え、そのストレスが財務状況にどのような影響をおよぼすのかをテストするものだ。中間試験や期末試験のように定期的にあるものではない。アメリカは2009年の初旬にストレステストを行った。
しかもこのストレステスト、テストと銘打っているのに日本の事業仕分けと似たようなパフォーマンス的要素が多分にある。すなわち政治的な判断で、学校のテストのように問題を与えてその解答を厳格につけるということはない。
すなわち「私たちの銀行は大丈夫だよ」というパフォーマンスをするための儀式でる。何もない平時であれば、痛くもない腹を自分から探る必要はない。だから市場はシラケているわけだが、それでも「テスト」という以上は結果が気になる。
ヨーロッパ大手銀91行中そのほとんどがテストに通りそうだということで、とりたてて他に取り上げる記事もないメディアは「良かったね」と玉虫色の記事を書いている。
どれくらいストレスを与えているのか、たとえばダウが10分の1まで減価し1000ポイントまで下がるとかいう極端な場合は想定されていないだろうが… ストレスがどれくらいなのかということは今後徐々にペーパーで明らかになっていくのだろうが、二番底を避けたい政府がそんな正直なことをペーパーに書くとも思えずますますこのストレステストの意味が何なのかが分からない。
ギリシャ破綻の尻拭いをするのがドイツで、ドイツがユーロから離脱するかという噂もチラホラ出始めている中、EU委員会は何としてでもユーロの価値を上げたいに違いない。無い袖は振れないから、せめて手だけでも振らなければならない…
という切羽詰った考えの中ストレステスト実施が思いついたのだろうか。
しかもこのストレステスト、テストと銘打っているのに日本の事業仕分けと似たようなパフォーマンス的要素が多分にある。すなわち政治的な判断で、学校のテストのように問題を与えてその解答を厳格につけるということはない。
すなわち「私たちの銀行は大丈夫だよ」というパフォーマンスをするための儀式でる。何もない平時であれば、痛くもない腹を自分から探る必要はない。だから市場はシラケているわけだが、それでも「テスト」という以上は結果が気になる。
ヨーロッパ大手銀91行中そのほとんどがテストに通りそうだということで、とりたてて他に取り上げる記事もないメディアは「良かったね」と玉虫色の記事を書いている。
どれくらいストレスを与えているのか、たとえばダウが10分の1まで減価し1000ポイントまで下がるとかいう極端な場合は想定されていないだろうが… ストレスがどれくらいなのかということは今後徐々にペーパーで明らかになっていくのだろうが、二番底を避けたい政府がそんな正直なことをペーパーに書くとも思えずますますこのストレステストの意味が何なのかが分からない。
ギリシャ破綻の尻拭いをするのがドイツで、ドイツがユーロから離脱するかという噂もチラホラ出始めている中、EU委員会は何としてでもユーロの価値を上げたいに違いない。無い袖は振れないから、せめて手だけでも振らなければならない…
という切羽詰った考えの中ストレステスト実施が思いついたのだろうか。
2010/07/22 23:28

急激ではないが、ここにきて不動産市場もようやく頭打ち、銀行新規貸出も鈍化とくればいずれ商品相場も下がる。4月中旬から、商品相場では
アルミ 18%
銅 13%
鉛 19%
ニッケル 27%
下落している。特に建築では、これらの資材を大量に消費することから、中国の不動産市場が落ち込めば世界の商品市場に影響をおよぼす。中国政府は特に日本のバブル崩壊過程をよく研究し、加熱する不動産市場に税金と不動産購入制度で冷水を浴びせ続けてきた。
ようやくそれが実って不動産市場は上げどまり。
中国は2009年、世界で生産されるアルミ、銅、鉛の40%を生産していたとされ他の先進諸国が束になっても消費量のおおさは変わらない。それだけに、中国の情勢が商品市場に大きく影響するのだ。

1999年からのアルミと銅をあわせた累積需要量は、他の先進国が微増にとどまるにも関わらず中国だけが突出して需要量が増えている(相対的には60%増)
中国の不動産市場が世界経済の復活を早めたのは確かだが、中国の不動産市場の衰退が今後世界経済の衰退につながりかねないことも、また否定出来ない。
2010/07/21 23:16
賄賂文化は中国に浸透し過ぎているので、今更賄賂が悪いことだと言われてもピンと来ないらしい。しかしこの賄賂文化は確実に中国が成長するための足かせとなっている。
北京が強力な賄賂防止政策を採用してはや10年になる。前全人代の副議長が5億4000万円相当の賄賂を受け取って死刑となったり、昨年は上海の高級官僚が1億元の収賄で逮捕されたり。
中国では役人になると、むしろ「どれだけ賄賂をもらって私腹を肥やすことができるか」が評価されたりする。そしてお札の枚数と同様、愛人の数を競ったりする。
日本人から見れば異文化である。しかし中国ではリアルである。その中国で現在進行形で問題になっていて、しかも今後問題はさらに大きくなるだろうなと思うのは官僚への賄賂ではなく、商業賄賂だ。
日本と違って、中国では商業賄賂は違法である。たとえばハーベスライフ社が中国のチャイナライフ(仮名)社にコンサルのサービスを提供したいとする。しかしコンサルを提供するためにはコンペを勝ち抜かなければならない。そのコンペを甘めに採点してもらうためにチャイナライフ社の社長に幾許かの賄賂を渡す…
接待というレベルではなく実弾すなわち現金を伴った時点でアウト。
贈賄側(ハーベスライフ)も収賄側(チャイナライフ)側もタレコミがあれば捕まる。これが商業賄賂。公務員でしか贈収賄罪が発生しない日本では商業賄賂の考え方が薄いが、中国の会社は露骨に要求してくる。
賄賂のことをよく「アンダーテーブル」というが中国の場合まさにアンダーテーブルで賄賂の額が決まる。私が数年前に同席した会合で、中国の女性が男性を歓待するいわゆる「カラオケ」に同行した際に突如A会社のトップが女性を部屋から追い出してB会社のトップとコソコソ話をし始めた。
(女性が聞いたら激怒するだろうが、中国ではなぜかビジネスの具体的な話し合いは会議室ではなく若い女性がいるカラオケルームで行われるのだ。しかもボソボソと話すので要領を得ず、メモを取るという不粋なことも出来ない。しかし歓待を受けるので一応嬉しそうにしなければならず、時には女性を指名しなければならない。女性性の商品化は日本より中国のほうが先鋭的だ)
話し合いはものの10秒くらいで終わり、後から「何を話していたのですか?」と聞くと「賄賂の額だよ。今回は100万人民元(1500万円)」と事もなげに言ったのには驚愕したものだ。
授受は電信送金ではなく受贈者の賄賂のことを中国語の隠語で「ミィミィ(密密)」と言うが誰が誰にいくら贈るかは秘密であるが賄賂文化そのものは公然である。そもそもそんな隠語が人口に膾炙している自体異常だ。
「そういうもんか」と割り切れれば中国でビジネスを始めるのに気楽だが、少し規模の大きい会社になると実弾としてのキャッシュをどう準備するのか、あるいはいくら必要なのか、どういう効果があるのかが不透明なので決済が下りない。
本社のナンバー3くらいが中国に乗り込んでいって大胆にビジネスをするのであればまだしも、駐在事務所レベルで中国に張り付いているだけではまともな仕事は出来ないのが現実だ。
それが日本や諸外国と違うところで、駐在事務所員がマーケットリサーチから入り、本社から少しずつ裁量を得てビジネスをしていくパターンでは立ちいかない。
中国政府は早くから道徳的動機ではなく経済的動機でこの賄賂文化を消滅させるべく努力はしている。ただ、それが根絶されることは上述の社長の賄賂授受の素面加減からみて当分ありえない気がする。
北京が強力な賄賂防止政策を採用してはや10年になる。前全人代の副議長が5億4000万円相当の賄賂を受け取って死刑となったり、昨年は上海の高級官僚が1億元の収賄で逮捕されたり。
中国では役人になると、むしろ「どれだけ賄賂をもらって私腹を肥やすことができるか」が評価されたりする。そしてお札の枚数と同様、愛人の数を競ったりする。
日本人から見れば異文化である。しかし中国ではリアルである。その中国で現在進行形で問題になっていて、しかも今後問題はさらに大きくなるだろうなと思うのは官僚への賄賂ではなく、商業賄賂だ。
日本と違って、中国では商業賄賂は違法である。たとえばハーベスライフ社が中国のチャイナライフ(仮名)社にコンサルのサービスを提供したいとする。しかしコンサルを提供するためにはコンペを勝ち抜かなければならない。そのコンペを甘めに採点してもらうためにチャイナライフ社の社長に幾許かの賄賂を渡す…
接待というレベルではなく実弾すなわち現金を伴った時点でアウト。
贈賄側(ハーベスライフ)も収賄側(チャイナライフ)側もタレコミがあれば捕まる。これが商業賄賂。公務員でしか贈収賄罪が発生しない日本では商業賄賂の考え方が薄いが、中国の会社は露骨に要求してくる。
賄賂のことをよく「アンダーテーブル」というが中国の場合まさにアンダーテーブルで賄賂の額が決まる。私が数年前に同席した会合で、中国の女性が男性を歓待するいわゆる「カラオケ」に同行した際に突如A会社のトップが女性を部屋から追い出してB会社のトップとコソコソ話をし始めた。
(女性が聞いたら激怒するだろうが、中国ではなぜかビジネスの具体的な話し合いは会議室ではなく若い女性がいるカラオケルームで行われるのだ。しかもボソボソと話すので要領を得ず、メモを取るという不粋なことも出来ない。しかし歓待を受けるので一応嬉しそうにしなければならず、時には女性を指名しなければならない。女性性の商品化は日本より中国のほうが先鋭的だ)
話し合いはものの10秒くらいで終わり、後から「何を話していたのですか?」と聞くと「賄賂の額だよ。今回は100万人民元(1500万円)」と事もなげに言ったのには驚愕したものだ。
授受は電信送金ではなく受贈者の賄賂のことを中国語の隠語で「ミィミィ(密密)」と言うが誰が誰にいくら贈るかは秘密であるが賄賂文化そのものは公然である。そもそもそんな隠語が人口に膾炙している自体異常だ。
「そういうもんか」と割り切れれば中国でビジネスを始めるのに気楽だが、少し規模の大きい会社になると実弾としてのキャッシュをどう準備するのか、あるいはいくら必要なのか、どういう効果があるのかが不透明なので決済が下りない。
本社のナンバー3くらいが中国に乗り込んでいって大胆にビジネスをするのであればまだしも、駐在事務所レベルで中国に張り付いているだけではまともな仕事は出来ないのが現実だ。
それが日本や諸外国と違うところで、駐在事務所員がマーケットリサーチから入り、本社から少しずつ裁量を得てビジネスをしていくパターンでは立ちいかない。
中国政府は早くから道徳的動機ではなく経済的動機でこの賄賂文化を消滅させるべく努力はしている。ただ、それが根絶されることは上述の社長の賄賂授受の素面加減からみて当分ありえない気がする。
2010/07/20 23:05
EIA、国際エネルギー機関が発表した先日の「中国、エネルギー消費世界最大に」に中国がケチをつけている。もともとGDPなどのデータの信ぴょう性が疑わしい国であるのでEIAのリサーチもどれだけ正しいか、疑いだしたらキリがない。
WSJでこの件についてコメントしている専門家は、
中国が世界最大のエネルギー消費国とラベリングされることで、世界が中国をマークする度合いはより厳しくなり国の発展を阻害するのではないか
というコメントをしている。確かにエネルギー生産国ではなく消費国ナンバーワンというのは不名誉ではないものの、とりたてて名誉なことでもない。しかし名誉でないにも関わらず各国の資源消費国はピリピリとなる。資源の取り合いになると市場は高騰、自国のエネルギー政策を脅かす。
また、中国が依然として発展途上国だから、ということでまだまだ資源を消費しても良いという暗黙の了解のようなものが破られることにもなる。
経済の血液たるエネルギーを掴むことは国家をより長期に繁栄させる礎となる。日本にいると、中国のエネルギー問題といえば中国が東シナ海のガス田に異常なほどこだわっていることがまず想起されるがエネルギーにまつわる無茶な行為は日本だけではなく世界中にある。
たとえば南シナ海のフィリピン、中国、インド、マレーシア、ベトナムが濃淡はあるもののそれぞれ海域領有イコール資源領有を主張している。
中国のエネルギー採取を歓迎しているのはアフリカ各国で、中国も国をあげてアフリカの国家元首を北京に招いてエネルギー確保と引換にインフラ・プロジェクトを推進している。
今後も中国のエネルギー政策は世界との摩擦を生じ続けるだろう。
2010/07/19 23:24
既に5年前からシンクタンクや商社のレポートで中国がアメリカを抜いて世界最大のエネルギー消費国になるおとは分かっていたので特別感慨はないが、ニュースでも伝えられている通り中国が石油や天然ガスを排出しているおと、そしてそれでは足りないず世界のエネルギーを狙っていることがより問題である。
中国はときに非常に尊大で中国らしさを押し付ける。世界のエネルギー資源の相場を動かすことになれば、とうにアメリカが黙っていない。
中国はアメリカの世界最大の債権国であるからイラクのように油が出るからという理由では攻め込まれるおそれは絶対にない。
しかし経済の血液であるエネルギーを中国の思惑が入るような事態になれば、アメリカのタカ派がまただまっていないかもしれない。
2010/07/18 23:25
ちょっと電波の具合が悪いくらいでこんなに騒がれるなんて、なんという電話だろうか。このマスコミの騒ぎっぷりがiPhoneの影響力の大きさを物語っている。
アップルCEOのジョブスはプレゼンで「カンペキな携帯などない」という至極当然の対応をしたがそれに対して批判の嵐がけっこうすごい。Appleはその巨大さのゆえ
Everybody loves to hate(みんな非難するのが大好き)
な会社になってしまった。このEverybody loves to hateな会社は金融業界ではゴールドマン・サックスである。嫉妬と羨望が入り交じった感情が、ひとたび些細な不祥事を起こすとそれ見たことかと集中攻撃する。
iPhoneの電波問題以外に地球上には他に解決することはたくさんあるのだがこれが人間の悲しいところ。アップルはルサンチマンを解消するには実に手頃な対象だ。
ジョブスは生意気だし、会社の株価も調子がいいし、iPhone4もiPadも売れまくっている。非の打ち所が無ければ打つ非を作ってしまおう…
とこの狂騒を見ていて人間の持つ毒気というのを考えてしまう。(私のiPhone 3GSは日々素晴らしい仕事をしてます。少々電波が悪くとも、トラブルがあっても文句なしに使い続けます…)
2010/07/17 23:15
1977年生まれでアジアで頑張るプロフェッショナルということで、弁護士の津田先生とたまに連絡を取りあっているうち、上海法曹修行から場を深センに移されたということで事務所に遊びに行ってきました。
津田先生が働くオフィスは深セン福田区のAグレードオフィスビル内。ロビーは吹き抜けになっており、パッと見5人に1人が西欧人でビシッとスーツを着込んで歩く時間も惜しむかのように話し込んでいます。4年前に初めて深センに行ったときはホコリとコンクリートむき出しのビルしかなかったように記憶していたのでこの変わり様が中国なんだと再確認。
私は全身ユニクロのポロシャツ&ハーフパンツ&サンダルというAグレードオフィスとはおよそ場違いな格好でお邪魔したにも関わらず、オフィスでは事務所パートナー弁護士の方が暖かく迎え入れてくださり、津田先生と3人で1時間以上談笑したのでした。
津田先生が2ヶ月ほど働くことになっているこの法律事務所は弁護士数50人程度。深センは東莞そして広州と続く華南デルタ工業地帯の一翼を担っているわけですが、iPadのアセンブリをアップルから受託しているフォックスコンのような会社そしてホンダの集団ストライキなどもあってここ最近は労務問題でリーガル需要が出てきており、そちら関係のエキスパートが揃っています。
労務問題では最近は被用者の権利意識が高まってきており、企業サイドのリーガル・リスク管理がますます大変だとのこと。ただ権利意識の高まりというのは最近に始まったことではなく5年以上前からそういった傾向が見られていたものの、耳目を集める事件で一つの結実を迎えたとのこと。
広州を中心とする華南地区は北京・上海に続く一大消費都市ですからその重要性は強調しても強調し過ぎるということはないでしょう。今後は弊社にも広州でのご商売を展開される、様々な案件が舞い込むことが予想されます。
ですので今からキチンと知識入れをしておかないと…

和民の勢いがすごいです。平日でも7時ともなると行列が。日本では一段下に見られがちですがこちらではそういった意識はない模様。日本人らしく、生中からはじめて津田先生と、お互い離れた場所で過ごした時間のキャッチアップをしたのでした。
津田先生が働くオフィスは深セン福田区のAグレードオフィスビル内。ロビーは吹き抜けになっており、パッと見5人に1人が西欧人でビシッとスーツを着込んで歩く時間も惜しむかのように話し込んでいます。4年前に初めて深センに行ったときはホコリとコンクリートむき出しのビルしかなかったように記憶していたのでこの変わり様が中国なんだと再確認。
私は全身ユニクロのポロシャツ&ハーフパンツ&サンダルというAグレードオフィスとはおよそ場違いな格好でお邪魔したにも関わらず、オフィスでは事務所パートナー弁護士の方が暖かく迎え入れてくださり、津田先生と3人で1時間以上談笑したのでした。
津田先生が2ヶ月ほど働くことになっているこの法律事務所は弁護士数50人程度。深センは東莞そして広州と続く華南デルタ工業地帯の一翼を担っているわけですが、iPadのアセンブリをアップルから受託しているフォックスコンのような会社そしてホンダの集団ストライキなどもあってここ最近は労務問題でリーガル需要が出てきており、そちら関係のエキスパートが揃っています。
労務問題では最近は被用者の権利意識が高まってきており、企業サイドのリーガル・リスク管理がますます大変だとのこと。ただ権利意識の高まりというのは最近に始まったことではなく5年以上前からそういった傾向が見られていたものの、耳目を集める事件で一つの結実を迎えたとのこと。
広州を中心とする華南地区は北京・上海に続く一大消費都市ですからその重要性は強調しても強調し過ぎるということはないでしょう。今後は弊社にも広州でのご商売を展開される、様々な案件が舞い込むことが予想されます。
ですので今からキチンと知識入れをしておかないと…

和民の勢いがすごいです。平日でも7時ともなると行列が。日本では一段下に見られがちですがこちらではそういった意識はない模様。日本人らしく、生中からはじめて津田先生と、お互い離れた場所で過ごした時間のキャッチアップをしたのでした。
2010/07/16 23:46
投資の世界で、、ハイ・ウォーター・マーク(High Water Mark、HWM)という言葉がある。日本語にすると最高水位線という意味だ。投資ではもともとファンド手数料の言い方の一つでHWM以上の成績を出せばHWM以上の20%を徴収します、なんていう言い回しで使う。
要するにそれまでの最高水準がHWMである。
ゴールドマン・サックスに適用された証券委がとった措置は業界に対するHWMと言える。「報告に対する漏れがあった」と実に玉虫色な解決をしたゴールドマン・サックス。引き続き詐欺の容疑がかけられて調査がつづいている。
ウォールストリート最強の銀行にこのテの制裁がかけられ、他の銀行は戦々恐々としている。ゴールドマン・サックスが特別アコギな取引をしていたわけではなくシティ、モルガン・スタンレーなどの他の巨大銀行も多かれ少なかれ同様の取引をしているからだ。
「ギャンブルハウスのディーラーがズルをすることは絶対に許さない」
という証券委の態度を明確にしたことで新しいHWMが作られ、HWM以下にいる銀行は今後株主の厳しい視線にさらされることになるだろうし、さらなる透明性を求められることになる。
要するにそれまでの最高水準がHWMである。
ゴールドマン・サックスに適用された証券委がとった措置は業界に対するHWMと言える。「報告に対する漏れがあった」と実に玉虫色な解決をしたゴールドマン・サックス。引き続き詐欺の容疑がかけられて調査がつづいている。
ウォールストリート最強の銀行にこのテの制裁がかけられ、他の銀行は戦々恐々としている。ゴールドマン・サックスが特別アコギな取引をしていたわけではなくシティ、モルガン・スタンレーなどの他の巨大銀行も多かれ少なかれ同様の取引をしているからだ。
「ギャンブルハウスのディーラーがズルをすることは絶対に許さない」
という証券委の態度を明確にしたことで新しいHWMが作られ、HWM以下にいる銀行は今後株主の厳しい視線にさらされることになるだろうし、さらなる透明性を求められることになる。

