香港金融譚

主に世界の金融や経済情報についてのブログです。
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2010/08/14 23:43
少し前から気になっていたことがあった。東京から来られる方が、口を揃えて

「いやー 香港も暑いけれど、東京はもっと暑いですね」

と言っていることだ。その度に私は

「そんな訳ないですよ~ 香港なんて東京から1500キロも南にある亜熱帯地方ですから、東京より涼しいなんてことは有り得ないですよ~」

と答えていた。しかしひとりふたりがこういったことを仰るのではなく、結構な数の方が言うのである。なので「もしかすると、今年の夏は東京は香港より暑いのかも」と思い始めた。

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結論。東京は香港よりも暑いときもあった。それは19日から28日の間である。

ある大学教授のお客様が「海流の変化の影響で暑いところが涼しく、涼しいところが暑くなっている」と言っていたのを思い出した。現在は少ない日数だけ香港よりも暑いが、数年後には東京も香港と同じ暑さなるのだろうか。
2010/08/13 19:57


一人の日本の政治家のインタビューを4分も聞くなんて、今まであっただろうか… と思いながら上記WSJの蓮舫のインタビューを聞く。TVなどでは首相の話でさえも長くて数十秒でコンパクトにまとめられていて、彼らが何を考え何を実行しようとしているのかをTVからはうかがい知ることは難しい。

だから、蓮舫議員のこの4分間のインタビューは結構新鮮であった。日本のメディアは扱うニュースや意見の「公平さ」を重んじるあまり大変つまらなくなってしまっている。政治が薄い軽い… と感じるのは編集技巧に長けたメディアと、その消費に慣れてしまっている私たちに原因があるのだろう。

WSJはこういった肉食系女性を取り上げるのは好きである。ヒラリー・クリントンの大統領選の散り際の取り上げ方は芸術的ですらあった。日本のメディアは蓮舫議員みたいな女性は嫌いなのかな?それとも「公平」のせいでなかなか蓮舫議員個人のインビューを取り上げにくいのかな?

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日本では円ドル為替が大きく問題になっているようだが、昨日書いたようにアメリカやG7諸国の後ろ盾が得られない段階で日本が為替介入するとは考えられない。

円から海外投資に入っていくお客様にとっては今は値ごろではあるが「売り尽くしバーゲン」でかどうかは分からない。悲観的な景気の見通しが語られる一方でGMの決算発表のように新興諸国消費に支えられた好調な決算発表や予期せぬ失業率の改善等により現在の円高は「結果として」天井になる可能性も当然ある。

だから、「今、円高か円安か」という答のない禅問答を極めようとして投資判断を先送りするよりは、景気が悪く皆が悲観的になっているこの時期にリスク資産をより多く保有しておくべきだろう。
2010/08/12 16:44
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為替というのはすべて相対的な指標である。円ドルが84円台だから円高だとか、125円だから円安だとかは一概にはいいにくい。日銀の2002年ごろの為替への介入は他の国々が元気だったからだ。

絶対的に為替相場を見れない以上、相対的に判断する必要があるが、その指標となるものが実質実効為替レートという指標である。

為替レートの変動を考えるとき、両国で物価上昇率が異なる場合は、実質的なレートが、数値上のレート(名目為替レート)とずれてくる。このような物価上昇率の効果を考慮した為替レートを実質為替レートという。 実効為替レートにおいても物価上昇率調整前後の値をそれぞれ算出するのが一般的であり、物価調整前を名目実効為替レート、調整後を実質実効為替レートと呼ぶ。

(Wikipedia)


BIS、Bank for international Settlementという各国中央銀行の中央銀行的存在の銀行があるが、そちらの提供する物価上昇率調整後の実質実効為替レートのデータによると日本は現在

円高だが、びっくりするほど円高ではない

ということになる。円高だ、円高だ、日本はこのまま崩壊するというのは偏った意見であって、G7中相対的に体力のある日本はこれ以上の円高を甘受しなければいけないことになるかもしれない。

そして、日銀が為替介入する可能性は限りなく少ない。実質的に円高でなければ、他諸国の回復力を奪ってまで円安に振れさせるという行為は考えられないからだ。

FRBが米国景気について下方修正をするなど、米国の景気先行きについては依然不透明である。したがって、円高っぽい状況はまだまだ続くし、アメリカの景況感次第では、今後も円高が更に進む可能性は十分にある。
2010/08/11 17:48


中国のインフレがまた一段と進んでいるようだ。本日、中国国家統計局より発表されたデータによると、消費者物価指数は前年比同月比較で3.3%の上昇、2年間でもっとも高い伸び率となった。

ただ強い購買力がインフレを押しのけている感があり、この「ややインフレ気味」の状況で困っている国民は相対的に少ないと考えられる。

中国が金融政策の引き締め・住宅バブルの抑制に動き出してから数カ月になるが、投資家が予想しているように急激に厳しい締め付けはせず、ゆったりと利上げを行っていくようである。

この3.3%という数字だけを見ると「中国政府はインフレ退治により強硬な態度をとっていくのではないか」すなわち短期的にしても株価に悪影響を与えるのではないかと心配するメールがお客様から入ってきたが、その可能性はうすいと思われる。
2010/08/10 23:47
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今朝のポートフォリオ検討会議で、ポートフォリオ運用マネージャの一人が

回復の順番は、中国→アジアその他の国→米国→日本→ドイツ→EUその他の国

という実に大雑把ではあるが示唆に富む発言をしてくれてた。彼はポートフォリオマネージャとして1年前から同じことを言い続けておりAMGの中でのマネージャの中での「ブレのなさ」は定評がある。

GDPやPMIなどの定量的指標は簡単にインターネットやブルームバーグなどで拾える。しかし、「中国は莫大なリザーブを使ってメンツにかけて金融危機を乗り切る」とか「米国はドルの剃りすぎでしばらくインフレに苦しめられる」とか「日本の製造業のクリエイティビティは死なない」とか定量的情報は単にぼーっとマーケット情報を眺めているだけでは分からない。

中国は回復してしまって既に息切れしているようである。アジア各国もそれに近いところはある。ということは、上の順番でいくと

中国→アジアその他の国→米国→日本→ドイツ→EUその他の国

米国以下が次に回復する見込みが高いということになる。

「ドルの剃りすぎでのインフレ懸念は、公定歩合の上昇によって切り抜けられる」「円に逃避している資産は再びドルに傾く」「ヨーロッパの銀行の不良債権処理が一巡し、EUに信頼が少し戻って製造業のあるドイツを中心にユーロも買われ始める」

彼の見立てによるとこのサイクルに2年くらい、だということだ。それにしてもGDPだけ見て投資をし続けても、1980年代からであれば結構なリターンが得れた。流動性さえある程度確保出来れば、第三国にいち早く投資をするというのは、年金積立をしている方たちには必須となるだろう。
2010/08/09 23:42
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日本企業のキャッシュ比率、対GDP比



日本の企業評価についてのポジティブな記事がここにきてまた増えている。2年前、リーマンショック前にも多大なるキャッシュを設備投資やアブない構造の証券投資にまわさずに温存していたことが評価されていた。

1987年のバブル崩壊以来、日本の企業は日本の金融企業を信用しなくなっている。拓銀や山一の破産、銀行の預金準備率引き上げにともなう貸しはがしや貸し渋り… この20年を耐え忍んだ企業は辛酸を嘗めてきているはずだ。

羹に懲りて膾を吹いているわけではないが、設備投資もせず、すなわち事業拡大もせずにキャッシュを蓄えてきた。派遣切りやホームレス村など社会問題は企業のキャッシュの潤沢さにその遠因があるのかもしれない。

だからといって、キャッシュを吐き出せと村上ファンドのようなことは言えない。世界的に見て日本企業のキャッシュ温存比率は高いものがあるが、そのキャッシュがあったからこそこの金融危機から自社を守れたのである。

しかも日本の平均的な企業はアメリカのCEOみたいに、バカ高い給料は取らない。企業は永続してこそ社会に貢献するとすれば、日本のような会社はもっと評価されるべきだ。少なくとも私は世界で一番評価している。

意地悪な向きも当然あって、キャッシュを持ったままなのは「クリエイティブじゃない」とか「思考停止状態なだけだ」とかいう批判もある。企業の経営者としては外で自由に使っていいカネが出てくれば当然使うのだが…

そういったリスクをとれるカネが回っていないのは事実で、日本ではまだまだリスクマネーが循環する仕組みが整備されていない。キラリと光る技術やサービスが、リスクマネーが供給されないせいでどんどん死んでいく… 日本の資産が失われているのに、アドバイザーという立場から何が出来るのだろうといつも考える。
2010/08/08 23:52
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日本の受験戦争なんて香港の受験戦争と比べたら「戦争」じゃなくて「鬼ごっこ」くらいだよ

と香港人の嫁は言う。子どもが生まれる前から幼稚園の入園届を書かなければいけなかったり、2歳でお受験があったりと「ホントかよ」と都市伝説を聞くように聞いていたが子供を持つ親の立場になってそれらが本当でかつリアルに目の前に迫っている。生後3ヶ月くらいから親は「プレイ・グループ」と呼ばれるお遊び教室に自身の子供、いや赤ちゃんを通わせる。

プレイ・グループではおもちゃを手に取らせて遊んだり、歌ったり、踊ったりする。そのプレイ・グループは広東語だけで行われるのではなく、当然のように英語、北京語さらに日本語、スペイン語、フランス語、ドイツ語まであるから驚きだ。

たとえば週三回プレイに通わせるとして、月曜日は英語、水曜日は北京語、金曜日はフランス語と言うふうにプレイ・グループの言語を選択する。それぞれネイティブの先生がいらして、2-6人くらいの赤ちゃんや子供を遊ばせる。

「3歳くらいになって考えたらいいんじゃないの?」

とつい最近まで思っていたし、実際に周りのパパ友が「ウチはこうで、ああで」と言っているのを聞いても何とも思わなかったが、産後突如として教育ママに変貌した妻が、先月からプレイ・グループに8ヶ月の娘を連れて通い始めた。

プレイ・グループに通い始めて少し意識が変化した。学区の心配をするようになってきたのだ。香港も学区制で「良い学区」と「悪い学区」があるという。良い学区に、子供の教育目的のためだけに引っ越す親もかなりの割合で存在する。

香港は、良い学区、良い大学、良い会社という直線が描きやすい国である。だからますます早期教育がもてはやされる。そして早期教育が究極まで進んで、ゼロ歳時教育。

最初は、この激烈な競争のある香港で産んでしまったことを不憫に思ったのだが「親が子供を不憫に思うことこそが子供を不憫にするのかな」と思い直した。私たち日本人は「空気を読む」ことで自分のポジション軸を自由自在に変化させる特殊能力があるが、こういった能力は外国人なかなか習得し得ない。

日本という国で生まれたからこそ自然に身につくものがあるのと同じで、香港に生まれたからこそ激しい競争に耐えうるメンタリティを自然に持ちうるのかもしれない… と早期教育には少しだけ前向きになった。子供に過大な期待はしていないが、選択肢は与えてやりたい。

こういうのを親バカと言うのかな。
2010/08/07 23:51
香港にはバス会社が4社ある。ファースト・バス、シティ・バス、KMB、そしてロン・ウィン・バス。その4社の運転手・従業員からなるバス労組が会社と賃上げ交渉で対立している。

350円/月の攻防

バス運転手の平均的なサラリーはHKD8,000、10万円弱だ。この月給を

2.2%上げろ(労組)
いや、1.8%しか上げない(バス会社)


でモメている。昨日の金曜日に労組と会社との話し合いは決裂、日曜日からストに入るかどうかを検討しているようだ。0.4%の違いはHKD8,000ではHKD32となる。すなわち、およそ350円の差を認めるかという話し合いになっているのだ。

350円だから気軽に扱って良いというものではない。バス会社は今季7億香港ドル(80億円)の利益をあげているという。それなのに、数千人の社員の給料を32ドルずつ上昇させてもたかがしれているのだが。

仮に1万人の給料を32ドルずつ上昇させたとしても、毎月の支出は400万円増えるかどうかというところだ。1年で5000万円程度の支出である。しかしバス会社もバス会社で、将来どこかの会社をM&Aするのか?と勘ぐるくらいキャッシュをキープしておきたいようだ。

意地と意地がぶつかる戦い。私としては、非常に勝手だがどちらかが早期に折れてもらって普段どおり会社にバスで通勤したい…


==後日(日曜日)談==

結局、双方歩み寄って1.8%の昇給プラス福利厚生をUPさせることで決着した模様。ちなみに、61%のバス運転手がストには反対だったという。
2010/08/06 23:25


日本のバブル崩壊後と同様の現象である。アメリカのリーマンショック後はひたすら雇用を削る方向だ。しかし、企業にカネがないわけではない。次のショックに備えてひたすらキャッシュを蓄える方向にある。

Jobs has not shonw up(仕事が見えない)

今年の第一四半期には設備投資の拡大や消費傾向の改善が見られたにも関わらず、仕事に結びついていない。大量のクビ切りの後で再び企業が大きく成長していくための人員を確保することはない。

vicious cycle(最悪な循環)

雇用がなければ消費も悪く、消費が悪ければ雇用もないという状態である。どちらが先に回復すべきかは過去の数字からは明白で「消費」が全ての先に来る。直感的には理解できるのだが、この消費と雇用がどちらが先行指数かと聞かれて雇用と言う人も多い。

普通の人達が少しだけ裕福になって、その人達が少しだけ余計に買い物をし、それが新しい雇用を生むのであってその逆はない。社長の立場になって考えても、仕事が現在の人員でやっていけなくなってはじめて新しい雇用を考えるのだ。

消費は誰がどう立てなおしてくれるのか… アメリカも深い迷宮に入っていこうとしている。
2010/08/05 23:27
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中国の成長ペースのスローダウンがここ半年くらいずっと言われている。注入された4兆人民元の効果で、人工的な信用創造と、住宅購入補助・新車購入補助などの「下駄」により成長率のかさ上げが行われていた。

4兆元効果もさすがに薄れてきて、中国は自分自身が昨年まず病人の状態から抜け出し、そこから世界の病人国たちをある程度は救ってきた。中国のリバウンドがなければ、世界は今も悲惨な状況だったろう。

しかし、中国の追加の金融政策はもう望めない。投資家もそのことをよくわかっているので上海株式市場はふるわない。次の展開はとしては、かさ上げしてもらった購買力で恩恵を受けた企業がさらなる設備投資をしてフツーに稼いでもらうことだ。

それには、あと1年くらいかかるのではないか… 上記エコノミストの「Forecasts(予想)」にも、GDPが再び10%台を取り戻すのは2011年第二四半期くらいだろうというふうになっている。

株式市場は半年くらいそれを先取りするとして、しばらくはなだらかな上昇が続くだろう。




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