香港金融譚

主に世界の金融や経済情報についてのブログです。
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2012/01/23 23:27


中国は成長率が鈍化しているようですが、中国の"超成長"は終わったのですか?

いや、終わってない。若干の向かい風があるが、中国は今後も力強い成長を続けるだろう。ただ目先ではヨーロッパと米国の景気鈍化が足をひっぱることがあろうが、中国の"超成長"ストーリーはまだまだ続くだろう。

では、中国の成長において着目すべき点はありますか?

中国国内というよりも、中国国外の景況感が大切になってくる。そしてこれは中国に限ったことではないが、投資家は新興国債券市場にも目を向けている。

.......

最後、このレポートでは「短期で米国投資、長期で中国投資。特に投資期間が長めの投資家、あるいは積立投資をしている人は中国そして新興国投資」という結論で締めくくられた。AMGとしては、おおむね賛成。

アメリカに関しては、ヨーロッパと違って企業がよくカネを稼いでいるし住宅市場を除けば「カネを使うアメリカ人」が戻ってきてはいる。もともとそんなに悲観すべきでなかった部分がファンダメンタルにあったために決算期でポジティブな数字が並んだことが株価を押し上げている。

中国については、中国の成長をドライブする要素はまだまだ残っている。日米欧のような成長余力がない国とは違うから…というのが一般的な見方だ。ただ人民元の国際化については、中国はまだまだ慎重だ。金融自由化で得るものは外国からの大量資金流入→高度の成長と大変魅力的だが、逆転した場合の悲惨さは東欧やアイルランドを見ていればよく分かる。

投資家としては中国には急激な改革開放はせず、すなわち急激な成長ではなく緩やかな成長を続けて欲しい。
2012/01/22 23:27
香港人は、自分たちを中国人だと考えていない。

こう言うと驚かれるのだが、事実である。香港人のうち、自分が中国人だと考える人は34%しかいない、ということが香港大学のリサーチで明らかになった。では香港人は何人か?香港人である。香港人は北京人や上海人、潮州人など中国人で一括りにされてしまうサブカテゴリーではない。香港人は日本人やアメリカ人、フランス人の区別と同じメインカテゴリーなのである。すなわち、香港人≠中国人…

と3人に2人の香港人は考えているのである。そこでこの香港人≠中国人をあえて強調するために、中国人と言わずに「大陸人」と言う。香港は明らかに大陸ではない。

しかも問題をややこしくさせるのは、66%の人たちは「自分たちを中国人だと考えてない」以上に「自分たちを中国人だと考えたくない/思われたくない」という人たちでもある。

香港人に「香港人ってつまり中国人でしょ?」などと言おうものなら、3分の2の確率で「私は中国人ではない!」と反論される。しかも結構激しく。

香港人がここまで香港人であることに気合が入っているのは、英国領で古き良きイギリスの薫陶を受けたからであろう。100年間イギリスの統治下であったにも関わらず、イギリスに対して「国家主権を蹂躙された」みたいな話は香港人から聞いたことがない。それどころか100年前はさびれた漁村だった香港をここまで大きく発展させてくれたイギリスに対しては、大きな畏敬の念すら抱いている。

きちんとしたマナー、レディーファーストやアフタヌーンティーの習慣はイギリス人が香港人に残した大いなる遺産だ。

だ・か・ら! 許せないのである。マナーのない中国人たちが。しかも彼らは「カネ持ってるぜっ!」風情をぷんぷん匂わせる。男性は特に分かりやすい。金無垢のロレックス、ルイヴィトンのショルダーバッグ、エンポリオアルマーニの黒Tシャツ。フェラガモの靴。そして角刈り。あれ?これもしかして人民服に代わる新しい制服のコンビネーションなのかな?と思うくらい、みな判を押したように似通っている。

香港人はカネ持ちは同時に社会的責任も果たすべきだと考えるから、万札をぶんぶん振り回して我が物顔で街を闊歩されることに対して「香港が汚された」と考えるのだ。

とは言っても彼らがカネを落としてくれないと香港は潤わない。忸怩たる思いがあるのは想像に難くない。中国人も中国人で、「カネ持ってる=尊敬されるべき」という強い思いがあるから譲らない。香港人の、中国人を田舎者扱いするクラッシィな鼻持ちならない態度が許せない。

そしてこの両者がたまに激突する。例えば飲食が禁止されている電車の中で、中国人が飲食するのを見た時。こんな戦争がけっこうな頻度で街中で繰り広げられている。しかもこの戦いは中国人と香港人以外、誰も知らない。



2012/01/21 23:10
香港のホテル業界は活況だ。hotel.comによると、2011年4190万人の観光客が香港にに観光またはビジネス目的で短期滞在している。ちなみに香港の人口は700万人だから、実に人口の6倍の人間が香港に来たことになる。

4190万人という数字は2000年から10-15%のペースで増えているらしい。それに伴い、香港に63,000室あるホテル客室数が足りていない。「香港のホテルは予約が取りづらいなー」というイメージは合っている。ホテル検索の仕方が悪い訳ではない。ましてや私に頼んでもホテルが簡単に予約できる訳でもない。

2011年は63,000室中88%が埋まり、ビジターは平均で3.5泊香港に宿泊し、ホテルは一泊平均1,343香港ドルを客にチャージする。ペニンシュラやフォーシーズンズホテルのような一泊5,000香港ドル以上の部屋もあるし、重慶(チョンキン)マンション内のホテルに代表されるような一泊150香港ドルのホテルもある。

日本から香港に来られる方はおそらく3つ星以上に宿泊する方が大半だろうが、3つ星であっても場所によってはレギュラー・ルームで2,000香港ドル以上するところもある。円高で香港ドルが安くなっているとはいっても、香港旅行は高い… というのがイメージではなかろうか。

そんな状況に、行政が危機感を抱いている。

「ホテル代が高くなれば観光客も少なくなるしビジネスマンも来づらくなる。ひいては香港の発展を阻害する」

観光局トップのアンソニー・ラウはホテルの客室数の少なさを解消するために香港政府としても協力するとし、シャングリラ・グループがホンハム地区の土地を平均市価よりも安くで売却している。

ちなみに、観光客の半分を占める中国人は3-4つ星に宿泊するケースがもっとも多いらしい。そして、この3-4つ星のホテルの客室数の需給がもっとも逼迫している。つまり、香港で新しいホテルを建設するとすれば3-4つ星が一番儲かる…

中心から30-40分離れていても(すなわち香港では田舎である)、空室率は悪化しないというリサーチも出ている。円高がずっと続くとは思えないし、日本のホテルが進出してこないかな。
2012/01/20 23:38
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アメリカ - 消費者物価増減(%)の推移


2011年の夏、アメリカ国債の格下げ行われる前に連銀は「少なくとも2013年の中頃までは利上げはしない」と明言している。しかもこの超緩和的金融政策コミットメントをバーナンキFRB議長は繰り返し明言していることから、2013年まではアメリカの政策金利動向には注意を払わなくても良い…

と思っていたが、最近プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁が

「政策金利の上げ下げはスケジュール通りに行うものではなく経済環境を注視しながら決定するべきものだ。少なくとも個人的には、2013年中頃より前には利上げをしなければならない状況に追い込まれると考えている」

と発言している。アメリカの政策金利は地区連銀と理事との決定会合を経て決定される。地区連銀は持ち回り制なので今年プロッサー地区連銀総裁は発言権はないものの、インフレが3%前後で推移し失業率が8%未満となった場合に超緩和的な政策をとる意味が薄まる。

バーナンキはインフレの目標値を2%以下したい。ちなみに2011年は消費者物価指数は2010年度と比較して3%少しの伸びであった。今年、ユーロの状況が大きく改善され中国の景気減速に歯止めがかかった場合、緩やかに物価も上昇していくことが考えられなくもない… 
2012/01/19 23:18


- アメリカ。決算シーズンで数字は銀行・証券がおおむね不調、他はおおむね好調。失業率も下落してきているし、そんな悪くはない。

ただ、この株式市場の上昇はこれらの上昇を正当化できるほどファンダメンタルな要素は見当たらない。QE3もまだだし。とはいっても人々がカネを使って景気をドライブしている。気まぐれな株式市場が10月の底から20%上昇しても不思議ではない。

- ヨーロッパ。格下げに耐性が出てきた。格下げされてもイールドは大幅に上昇しなかったどころか、フランスとオーストラリアではむしろ下落した。すなわち格下げがあろうとなかろうと国債は売れる。

しかもユーロ圏全体で今年は景気後退に陥るおそれがある。

しかし株式市場は下げてない。格下げ・景気後退など悪いニュースに対して耐性が出てきた。しかしこの「耐性」は という要素は果たしてポジティブに解釈すべきなのか?ギリシャ、イタリア、スペイン。破綻する可能性はまだある。

よく分からん株式市場のラリーである。こういうよく分からん時、すなわちファンダメンタルのバックアップが無い時はプルバックもそれだけ早く、しかも急速に来たりする。
2012/01/18 23:43


インドネシアの長期国債格付けが上昇した。

国債の不払い保険であるCDSは、先進国であるイタリアよりも新興国であるインドネシアのほうが安い。すなわち、マーケットはインドネシアのほうが国として破綻しにくい、とすでに考えているようだ。

人口は2億人。アメリカのメディアがよく、「インドネシアは所有権などの法的な保護が十分になされておらずかつインフラが十分に整っていないため今後も急速な発展が続くとは考えにくい」みたいな記事を報道したりする。

が、事実としてインドネシアへの外国からの直接投資額は2011年過去最高となった。シンガポールからの投資が最も多く、その次に日本が続く。日本国内では日本の没落が毎日のように伝えられているようだが、香港にいるかぎり日本はアジア・ビジネスのキープレイヤーであることの印象が日増しに強くなっている。これには円高のせいもあるかもしれない。

GDPは過去8年間で7年は5%以上、2012年度は6%の成長を見込む。良質な天然ガスが採れるので、中国がコケたらインドネシアの資源輸出もコケるが中国と違って内需の拡大ペースは堅調だ。

2010年度、白物家電や自動車などの耐久消費財の普及が始まるとされる、一人あたりのGDPはUSD3,000を突破した。今後の成長の恩恵にあやかろうとインドネシア・ファンドも次々と設立されている。

1997年のアジア通貨危機から15年、部族間抗争を経てこれからインドネシアは大きく花開くようだ。
2012/01/17 23:28
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ギリシャの破綻は市場ではすでに織り込み済み?


フランス、オーストラリアの新規発行国債の売れ行きが好調、先週金曜日に両国に対してS&Pの格下げがあったにも関わらずイールドは5-10ベーシスポイント下げた。

またギリシャがどちらにしろユーロ圏から出ていかざるを得なくなっていることも既定路線となっている。どこまでも援助をしてユーロ圏に踏みとどまらせよう…という意志は感じられずむしろどれだけ秩序ある破綻が可能なのかに焦点が移ってきている。

すなわち、EU全体としてはギリシャを助ける方向でいくしカネも使う。しかしデフォルトするのは目に見えているからユーロの価値を大きく脅かさない限りの使い方しかしない。そしてしかるべき時にはユーロ圏から出て行ってもらう、というシナリオだ。

ECBも国債の直接購入を始めたし、ユーロに関するコンセンサスも高まってきたが、株価にもポジティブな影響を与えているようだ。今後は2月3月とユーロ各国に並のようにやってくる新規発行国債の売れ行きがどうなるか、であるがフランスとオーストラリアを見ていると突如国債が売れ残る可能性はほぼない、と見てよいようだ。

しかしユーロにカネがないことには代わりはない。しかし国の支出が大幅に減少する中、国債のイールドが低ければ「借りて、消費する」というケインジアン戦法がしばらく使えそうである。
2012/01/16 23:52


2011年第四四半期のGDP成長率が8.9%であったことは、8%前半を予想していた金融市場にとっては嬉しいニュース。これから細かく数字を見るが、輸出の伸びが衰えていないことが先日も発表されたばかりでそれがGDPに寄与したのかな、ということは十分に考えられる。

しかし、もうずっと前から言われているように中国が"世界の工場"から"世界の消費地"に転換していかないと今後の成長を維持していくのは難しい。それには試練があって、

- 人民元高に国内が耐える
- 付加価値の高いものを提供していく

これら2つとも、日本が経験したことだ。

今のところ、中国は人民元高に耐えられる構造ではない。このペースでアメリカのプレッシャーに応えて人民元高を続けていくのは難しい。そして、付加価値の高いものを生み出せていないのは、中国人以外に中国オリジナルのメーカーの名前を問うて一つも出てこない人がほとんであることが証左となっている。日本は70年代からソニーやパナソニックの名前は既に多くの外国人に知られていたが。
2012/01/15 23:26










「格差社会」という言葉が単に失業問題や貧困問題を語るときの飾りのようなフレーズになってしまい、失業/貧困にフォーカスするあまりかえって格差社会の本質的な問題が見えなくなってしまう… というこの矛盾。日本だけでなく香港でも同様である。

日本はまだ「格差社会」から連想される諸問題についてまだ議論の広がりが感じられる。これはおそらく、戦後の日本がまだ格差について真剣に向き合ったことがない故の動揺から来るのだろう。しかし香港では格差が当然のように受け入れられているため「貧困層が最低限の生活が出来るように」という格差社会が生み出す最も先鋭的な問題しか取り扱わない。

香港は移民の街。両親、あるいは祖父/祖母が広東省や福建省から香港に移り住んできたことから「ビンボーになったら田舎に帰りゃいい」という観念とイギリスのタックスヘイブン政策とがマッチするらしく高い税金をかけて所得配分を是正しようとする動きはほとんどない。

しかしこのプレゼンテーションでは格差のもたらす害悪について、これでもかとデータが並べられている。プレゼンターのウィルキンソン教授いわく、格差社会は

・信用低下をもたらす
・暴力を助長する
・子供の自尊心が育ちにくい
・評価ストレスを強める
・犯罪者を増やす
・階級がますます固定化される


香港は国際競争力ランキングで常に上位にはいるのだが(2011年は1位)、ド格差社会でもある。日本は競争力ランキングでは27位。単純に考えると、競争力を取って害悪も受け入れるのか、競争力を削いで害悪を排除するのかという二項対立で考えてしまう。ウィルキンソン教授は最後に「所得格差を是正することによりクオリティ・オブ・ライフは向上させることができる」と締めくくっている。

香港は所得格差を是正する方向には動かない。となると、クオリティ・オブ・ライフの向上は見込めなさそうだ…
2012/01/14 23:16
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ワンチャイにある通称「お化け屋敷」のNam Koo Terrace (南固臺)


43歳男性、経済苦にて焼身自殺。妻が発見。
60歳女性、飛び降り自殺。遺書を残して。
10歳男児、飛び降り自殺。勉強がプレッシャー。
51歳男性、室内で孤独死。
55歳男性、うつが原因で浴室にて焼身自殺。


香港は住居の履歴を知る権利があり住居を購入する人・借りる人はそれを知ることができます。そして住人が不自然な死に方をした場合は特にそれを開示する必要があり、香港の住宅検索サイトには上記のような物件が市価の3-4割ディスカウントされてリストに上がっています

大幅ディスカウントで安く購入・賃貸できることから一定の需要はあります。気にしない人は気にしないのでしょうが… 僕にはそんな家に住む根性はありません。
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