Ogura Manabu
春節が終わり、しばらくすると「工場の労働者が帰ってこない」という嘆きをほうぼうで聞くことになる。私の相方の両親も広東省でアルミ工場を営んでいるが、決まってこの季節に「工員が帰ってこない」とボヤいている。

すなわち春節正月に実家に帰ってしまってそのまま・・・ という状態だ。

つい3年前までは工員は単に「春節で休みボケしてしまい、休みボケから現実に戻るのがイヤでそのまま実家に居続ける」という単なる怠け心から工場に戻らないという理由であった。

戻らない人が一定数いるから工場長は戻らない工員分を勘案して人員を確保していたのだ。

しかし今年の春節のボヤきからは違った声が聞かれている。

「沿岸部のセールス職のほうが給料がいいから、工場をやめてそちらに転職したようだ。特に若い工員は低賃金で3K(きたない・きつい・きけん)の仕事をするのをとても嫌がっている」

とか

「月1500元なんていう低賃金は、この労働者が不足している状況の中で魅力的ではないようだ。かといって賃金を大幅にあげられない」

これらの理由はもっともだ。しかしより構造的な問題も浮き上がっている。

「そもそも低スキルの人材をいくら確保していたってしょうがない。中国は世界の工場から脱皮しつつあり、新しい付加価値を生み出すことを要求されているから低スキル労働者が帰ってこないのはむしろ喜ばしい」

「2000年から大学を増やしまくったせいで大卒のレベルがうんと下がってしまった。以前なら大卒を迎え入れることは幹部候補のつもりだったのに、今では安心して大卒を採用することが出来ない」

というようなコメントも聞かれた。


中国は常に人手不足なのだが、現在需要と供給が全然マッチしていないようだ。

コメントを投稿するにはログインしてください