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たかがそれくらい、と言わないで | AMG Wealth Management - 資産運用アドバイザー
Ogura Manabu
また一人、見送った。

一年に一度あるかどうか、というところではあるが本人が・あるいは配偶者が精神的にまいってしまって香港から日本に帰任してしまう…という駐在員の送別会を行う。

どちらのパターンも経験した。駐在員として日本から派遣されてきたがまいってしまって帰任、あるいは駐在員の奥様が香港の気候風土に慣れずにまいってしまって旦那様と帰任。

香港生活を気合と根性だけで乗り越えられないのはよく分かる。特に「こうでなくてはならない」という想いの強い真面目な人ほど価値観の軸をずらせない。そして問題は、ずらせないことを自分のせいにしてしまうのである。

しかもその「無理なこと」というのは非常にささいなことだったりする。日頃の不慣れがストレスとなっているせいで、寛容さを失ってしまった結果その「ささいなこと」が引き金となる。

今回のその方(男性、独身)は「マンションの風呂場のお湯の温度が安定しないこと」であった。なんだ、そんなこと、給湯器を付け替えれば済むことじゃないか、と日本の方であれば思うかもしれないが外国のマンションの配管は粗雑で水圧がしょっちゅう変化するのでそれに影響されてお湯の温度も変化するのだ。

暖かいお湯が出ていると思ったら、突然冷たいお湯が出てくる。クタクタに疲れて帰ってきた体をようやく休ませる段階で、そんな目に毎日あっているうちに「俺は香港に居てはいけない」という啓示のようなものが降りてきたそうだ。

それからカウンセリングにも通ってみたそうだが、軽いうつとのこと。上司に相談し帰任が決定したという。その方はまだ外に出て話せるだけマシなほうであるが、香港に来て数ヶ月で重症で誰にも挨拶せず帰ってしまう方もいる。

そういえば、今思い出したが僕も香港に来て数ヶ月の時に、食事中の義理の両親(香港人)の出すクチャクチャ音で気が狂いそうになってしまった時があった。「気が狂いそう」というのはまさに文字通り、頭がおかしくなりそうだったのだ。

食事を一緒に食べたくないからわざと残業していたくらいだ。ここは香港、郷に入れば郷に従え、しかも義理の両親にはお世話になっている、たかが音くらいでなんだ…と。

その音のせいで引っ越しまで考えたくらいだから当時の僕にとっては大問題だったのだろう。結局、義理の両親が中国の商売でほとんど香港の家に居なくなってしまったので半分解決したのだが。

最近また、義理の両親が香港に戻ってきてよく食事を一緒にするが、クチャクチャ音はさらに豪快になっていた。ただ、僕のほうが変化してしまってクチャクチャ音が気にならなくなった。成長したのか退化したのかは分からないが。

僕の場合、日本には帰らないつもりで香港に来たのである程度ハラが据わっていたからかもしれない。しかし数年の駐在で来るというのであれば、いずれ日本に帰るわけだから現地の文化に馴染まなくともよい。それで余計に葛藤が深くなるかもしれない。

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